2017/05/15 車載音楽環境 iTunes 歌謡曲が好き

softbank iPhone5c+smartking X+mineo Dプランで車内音楽環境を快適に



※注意※
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2017年10月05日以降、この「sim下駄」についてはapple側アクティベーションサーバーの修正によりこの手順では動作しないようです。
ただし、一度アクティベーションをこの環境で通過している場合は使用できています(当方も今のところ問題無く運用を続けています)
でそので、この日記内容については「過去の実績」であることに留意してください。
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本日の日記はちょっと趣向を変えて、クルマの中で快適に音楽を聴くことを考えてみます。

我が家のクルマについているディーラーオプション品カーナビであるPanasonic CN-R500WD(多分少し型番が違うはず)にiPod Classic160GBを接続して聞いておりました。
iPodはなんといっても大容量で3万曲程度の曲を飲み込み、長時間ドライブにも大活躍します。

しかしながらこのiPod夏は炎天下に晒され、冬は氷点下に放置されるという本来の動作推奨環境とはほど遠い過酷な環境下で使用しており、既に保障期間は切れ、一度動かなくなり修理したりで、最近動作が不安定。特にハードディスク内蔵タイプである本機は振動が伴う車載環境には適さないことがはっきりしています。修理(リビルド)から数えても4年以上使っていますので、そろそろ後継機をというのは無理も無い話です。また、曲の追加にいちいち自宅のPCに接続するのも若干煩わしい作業であります。

今年我が家の息子達全員が中学生以上となりまして、携帯電話を買い与えることになり、その金額を最小限にするために格安SIMを使い、機種をある程度統一することにしました。その結果1台のiPhone5cが使用用途を失うことになりました。
iPhone5cは2013年の発売開始で、性能的にはiPhone5と同等ですがパステルカラーの本体など若干異色の存在であります。この機体は2015年に中古で購入したもので、バッテリーもかなりへたっており、持ち歩き用には適さないという判断をしたものです。

とはいえこのiPhone5c、捨ててしまうには少々もったいないわけです。そこで今回この「電話」をクルマのiPod代わりにするということにしました。

iPhone5cを車載iPod代わりにする問題点としては
・容量が16GBと少なく、曲数を持ち歩けない
ということがあります。それに、結局曲の入れ替えには車から降ろしパソコンに接続する必要があります。私は曲をiTunesで管理しており、iTunes Matchというクラウド上で曲を管理する仕掛けを運用しています。このiTunes Matchはクラウドに接続できるiPhoneやiPad等でもパソコン上と同じ曲を聴くことができます。我が家のPCに入っている約8万曲の音源がインターネットにさえ繋がっていればiPhoneでも楽しめるわけです。これを使わない手はありません。

ここで問題になるのがiPhone5cをインターネットに繋ぐ手段です。このiPhone5c、ソフトバンクの契約で使っていましたので、原則的にソフトバンクのSIMでしか使用することができません(これをSIMロックといいます)SIMロックは現在販売されている機種では購入後180日を経過後に解除することができますが、この当時の機種はSIMロックを解除することができません。
そのため、iPhone5c自体の「機器としては」ドコモ・AUを含めた周波数帯で使えるにもかかわらず、ソフトバンクのSIMを挿入しなければ使用することができないわけです。

今更ソフトバンクと契約し、通話に使用することはあり得ない車載機器に月数千円の料金を払うのは現実的ではありません。また、ソフトバンクのSIMを使用するMVNO(格安SIM業者)は日本通信-U-NEXTのものしかなく、若干価格も高めです。このiPhone5cの活用を諦めかけましたが、ネットをくくっているとこんな商品が出て参りました。
それが俗に言う「SIM下駄」と言われるSIMロックされているスマートフォンを誤魔化して他社のSIMを使えるようにするというアダプターです。

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!注意!
当方はこのような運用をすることを推奨するものではなく、以下のを真似して行うのは自己責任で行ってください。不具合等が発生してもは当方は一切関知しません。
当方は捨ててもいいような中古携帯と、業務などに一切使用しない回線を使用し、レジャーを楽しむ事を念頭に実施したものです。リスクが非常に少ないからこその「実験」であることに留意してください。
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おさらいですが、iPhone5cはそれまでのiPhone5等と違い、国内携帯電話会社の発売する各キャリア品と国内販売SIMフリー品(どこの携帯電話会社のSIMでも使用できる)とで型番が一緒の「A1456」となります。ということは手持ちのsoftbank iPhone5cももしSIMロックが解除できればドコモやAUのSIMを挿入し使用できるはずです。ドコモやAUのSIMを使用するMVNO業者は多々存在し、データのみのプランもあります。これなら月1000円以下で「車載運用」ができるはずです。
しかしながら正規な手段としてはSIMロックを解除する手段は提供されていないので、softbank iPhone5cにドコモ・AU系のSIMを使ったMVNOを利用することはできないのです。

では、非公式にSIMロックを解除する方法はあるのかというと、かなり怪しいのですがファクトリーアンロックという機器を携帯キャリアに納品する前のSIMロックをかける前にリセットすることができる業者があるようです。しかし、価格が高額で、それを行うくらいなら新たに中古の機器を買った方がマシかもしれません。

もう一つの方法が「SIM下駄」です。SIM差し込みトレイにSIMとの間に挟むようにすることで、誤魔化すというアダプターです。これまたうさんくさいものも多く、失敗報告も多く聞く方法です。しかしながら、今回は新しく、比較的評価が高かった以下のものを使用しました。

キングモバイル社smartking X
http://kingmobile.jp/

購入はamazonで2,680円でした。


●実験1・電波を掴めて使用できるか
早速実験してみます。手順としては
・iPhoneのバックアップを取得しておく(念のため)
・SIMを挿入していない状態で電源を入れる
・WI-FIでインターネットに接続できる状態にしておく
・MVNO業者の提供する「APN構成プロファイル」を挿入するSIMに合わせてインストールしておく
・電源を入れたままSIMを挿入する
・SIM挿入後は「アクティベート」画面が出るので指示に従う
です。実験はAU系とドコモ系のSIMで行いました。業者は両SIMを提供しており、元々私が契約しているmineoですが、他社でも特に変わらないと思われます。

①手元にあるAU系の格安SIMを挿入してみる(mineo Aプラン音声有り・非VoLTE)
1枚目の写真のように下駄をかませて、SIMを置く、一応念のためにテープ止めした。
結果は「キャリア KDDI28.0」と正しくAUのSIMと認識しているにもかかわらず、上部は数秒間KDDI 4Gを表示したがすぐに「圏外」となっていて使用できなかった。(1枚目右上)

②新たに契約したドコモ系の格安SIMを挿入してみる(mineo Dプラン音声無し・sns無し)
同様に挿入した結果「キャリア ドコモ28.3」と正しく認識し、上部もdocomo 4Gと正しく電波を掴んだ。なお、アンテナピクト(電波強度)が真っ白なのはsns無しのSIMを挿入しているため電話網を使用した電波強度の表示ができないためで、使用には問題が無い。(1枚目右下)

2回目の実験で成功しました。はっきりしたことはわかりませんが、このsmartking Xという下駄、AUのSIMには対応していないのかもしれません(VoLTE仕様では試していないので、そちらでは掴む可能性がある)

なお、格安SIMを提供しているmineo(マイネオ)は関西電力系のmvnoで、MNPで他社から入ってくる場合以外は最低利用の制限も違約金などもないので、今回新規で1回線導入したものです。結果この回線をそのまま運用できそうです。


●実験2・電波強度が弱い場所や圏外の場所から復帰できるか
SIM下駄には「圏外病」という症状が出ることがあります。機器を欺していることから、電波状況の悪い場所などで使用した場合「圏外」となって、その後電波状況が改善しても復旧せず、データ通信ができなくなるというものです。

今回はJR北海道の石勝線を走る特急列車内での実験を敢行しました。石勝線は石狩から十勝を結ぶ日高山脈を貫き、5km以上にもなるトンネルがいくつも連続します。しかも人口希薄の山中でありながらリゾート地などもあり、携帯エリアの圏内、圏外を連続して最高速度120km/hという高速走行するという「圏外病」には過酷な路線です。

ちなみに同様の環境である道東自動車道(高速道路)については全線ドコモのエリア内になっています。また、トンネル内も多くの場所でエリア内となっていることから今回の実験には不適と判断しました。(これは鉄道トンネルの携帯エリア拡大に各携帯電話会社が積極的では無いことや補助金等の有無があり、個人的には非常に問題があると思っていますが)

今回は先の実験②で使用した環境をのままで特急列車に乗り込みます。iTunes Matchでクラウドに接続した「ミュージック」アプリで曲を再生します。ちなみにアルバムをいくつか「次に聞く」として聞いていましたのである程度「先読み」されるであろうと踏んでおり、圏外でも再生し続けられるかという観点でも実験してみます。

長大トンネルが多くなり列車の速度が上がる新夕張を過ぎても安定して曲は再生されており、また、圏外になっても先読みキャッシュが効いているようで曲の途切れがありません。曲が途切れたのは清風山信号場-占冠駅の間にある鬼峠トンネル(3.7kmのトンネル)内で、それ以前からトンネル外も圏外となっていてついに先読みキャッシュの容量が尽きたということなのでしょう。
占冠駅構内で電波が復活しまた再生がスタート。
道東道と並行する区間は非常に安定していますが、その後トマムを過ぎ新狩勝トンネル付近でも途切れました。しかし新得の市街地に近づけば復活し、すくなくとも「圏外病」と見られる症状にはならずに新得に到着しています。

帰りには根室線を使い、今度はradikoを使いラジオを聞きながらの移動にしてみました。キャッシュ時間30秒に設定し、6km程度ある滝里トンネル付近ではちょうど30秒で聞こえなくなるが、トンネルを出ると復活しますので、電波のつかみに関しては特に問題無いものと考えられます。

この実験から「圏外病」に関しては問題無いものと思われます。


●Panasonic CN-R500WDとiPhone5c連携の使用感
最終的にsoftbank iPhone5c+smartking X+mineo Dプラン(音声無し・SNSなし)で車載運用することにしました。これにより今までと違う様々な音楽コンテンツを車内で楽しめるようになりました。

まず、今までのiPod Classicではカーナビとの接続を行うとiPod側は制御を失い、カーナビ側からしか曲の検索などができませんでした。iPhoneと接続した場合はiPhone側の制御は失われず「ミュージック」アプリが起動しない状態で再生が行われます。その状態で「ミュージック」アプリを開いた場合も現在再生中の曲を表示し、ミュージックアプリ側で選曲や検索を行うことができます。別の曲を再生すればナビ側もその曲の表示に切り替わります(アートワークは表示しない場合がある)
なお、iPod同様iPhoneの充電もナビから行えますので、接続さえしていればバッテリー容量の心配はありません。

また、携帯側で他の音楽再生アプリを起動した場合、そのアプリに切り替わり、ナビ上はiPodの曲が再生されたかのような挙動となります。

3枚目の左下はradikoを起動した場合でラジオ局が設定した番組バナーがアートワーク表示されています。曲の表示が80547曲目とあくまでiPhoneのミュージックアプリ曲数(iTunes Matchの登録)を表示しています。本ナビはワイドFMに対応していませんが、この方法だとAMラジオを高音質なステレオ放送で楽しむことができます。野球中継に最適ですね。ただし、キャッシュなどで速報性は失われます。設定によりますが10秒から2分程度の遅延が発生します。

3枚目の右上は定額音楽配信サービスSpotifyを起動しています。アートワーク、曲順も含めほぼ完璧に再生してくれます。(無料版なのでスマートフォン経由の場合シャッフルプレイしかされない)ちなみにナビの「再生中リスト」では次曲表示は「Spotify」と表示され選択がうまく行かないようです。
エンジンを止めると曲の再生は止まりますが、再度エンジンをかければ同じ場所から再生がスタートしますのでこれもまた便利です。

3枚目右下はインターネットラジオのsmoothjazz.comアプリを起動しています。先のradikoと同様に曲数は80554などと表示していますが、曲タイトルなども正常に取得しています。(アートワークは取得できたりできなかったりです)

このように聞きたい曲に合わせて自分の持つ曲以外に多様な音楽アプリを車内で楽しめるのは非常に便利で、これはドライブに行きたくなりますね。


●mineo「節約モード」での使用感
私の契約する格安SIMはmineo(マイネオ)です。ここの売りは「節約モード」というスイッチの存在で、このスイッチがONになっていれば、契約パケット容量を消費しないというものです。そのかわり最高速度が200Kbpsに制限されます。
このため最小の契約容量である512MBであっても、このスイッチがONである限り(契約容量を使い切ったとしても)低速ではあっても接続し続けるということになります。

iTunes Matchでの聴取はApple Musicと基本的に同じ仕掛けのはずですので基本は256kbpsで配信されます。しかし、ある程度は自動調節されるようで、制限モードONでも曲が途切れたりすることは少ない印象です。先のトンネル区間のような先読みが必要になりそうな環境では制限モードでは途切れが多くなるかもしれません。
安定した通信環境が維持できれば「節約モード」でもほぼ問題無く聴くことができそうです。

Spotifyはスマホでは96kbpsまでで自動調節されるようです。有料版のPremiumユーザーは320kbpsまでとなりますが、自動調節されるのである程度「節約モード」でも利用できるようです。
私の田舎耳では96kbpsとはいえ充分な音質で鳴らしてくれているように感じます。そもそも車内のノイズ空間ですしね。
https://support.spotify.com/jp/using_spotify/search_play/what-bitrate-does-spotify-use-for-streaming/

radikoは48kbpsとのことで、充分余裕があります。低ビットレートでも高音質で配信できるHE-AACとのことですので、FMラジオに関してはもしかするとカーナビのチューナーの方が音質が良いと感じるかもしれません。AMラジオに関しては明らかにチューナーより音が良いので、音楽番組以外でも使うことになるかもしれません。

smoothjazz.comは以前は128kbpsでしたので、今でもそうではないかと思います。通勤でよく聞いていますが、車で聞くとまたいいですねぇ。音質に不満は無しです。

「節約モード」ではほぼ動画再生はできず、地図アプリなんかも少し待たされる感がありますが、ISDNとかダイヤルアップでインターネットに繋いでいたことを思えば充分早く、車内であっても思い立ったら取り出してネット見れたり、車内にスマホを置いておくってのはかなり便利。それでいて「節約モード」が使えれば契約容量を最低にできるので月税抜き700円から運用できることになります。「節約モード」万歳です。


●心配事
さて、ここまで夢のようなiPhone5cによる車載音楽環境構築を書いて参りましたが、心配事はいくつかあります。

・「SIM下駄」が使えなくなること
これはキャリアなりAppleなりがこの「SIM下駄」を使うことを快く思わないならOSアップデートなどで対策され、接続できなくなる可能性があります。そのときは別の手段も検討しなければなりません。

・車内環境の機器への影響
ハードディスクを積んでいたiPodに対して、可動部品の少ないiPhoneの方が故障は少ないものとは思いますが、倍以上の容量を持つバッテリを考えると高温に晒されたバッテリの発火の危険は無いとはいいきれません。また、冬期の低温ではさらにバッテリの劣化が進むことも考えられます。エンジンがかかっている時は常時充電とはいえ、あまり機器に良い環境ではありません。

・盗難の心配
これは既に使い古したiPhone5cだからこそあまり気にしていませんが、車内に携帯が見えることで車上荒らしに合いやすい危険性があります。かといってダッシュボードに入れると熱のことを考えねばならず、痛し痒しです。
なお、「iPhoneを探す」があるので車両盗難は逆に見つけやすいかもしれません。


長々書きましたが、くれぐれも真似をするのは自己責任で。当方は一切の責任を負いませんのでご承知くださいませ。
(コメント追記)
2017年10月05日以降、この「sim下駄」についてはapple側アクティベーションサーバーの修正によりこの手順では動作しないようです。
ただし、一度アクティベーションをこの環境で通過している場合は使用できています(当方も今のところ問題無く運用を続けています)
でそので、この日記内容については「過去の実績」であることに留意してください。

(追記)
2019年7月現在iPhone5cは今も現役で稼動。simに関してはmineo sプラン(softbankスマートフォン対応)に変更しており、現在はsim下駄を使用していません。これは時々ネットに接続できないなどの不具合が発生したためです。本内容は既に意味の無いものになっていますが、記録として残しておきます。
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