2015/08/20 Negicco 2000年代歌謡曲

「ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった」



先日よりNegiccoの話を何度も書いているわけで、ワタシがどれだけどっぷりいってしまったかがわかろうものではありますが、どっぷりいくからにはちゃんと理由があるわけです。
最初のとっかかりは新曲「ねぇバーディア」のいかにもなSeptember的フレーズが気になったこと。今時ですからyoutubeで彼女たちのシングル曲がMVとして聞けますので、そこから遡っていくことになります。

まず、新曲のカップリング「おやすみ」のこれまたメロウな感じで、80年代のちょっとAOR的な、なんていうのかなぁ。いいんだよ。ホント。これでぐらっときちゃってさ。
おやすみ
Negicco
2015/08/11


さらに、昨年末のオリコン5位獲得「光のシュプール」
光のシュプール
Negicco
2014/12/02


田島貴男さん作詞作曲の「サンシャイン日本海」。もう渋谷系好きだったら絶対はまるって。
サンシャイン日本海
Negicco
2014/07/22


矢野博康さん作詞作曲の「トリプル!WONDERLAND」
トリプル ! WONDERLAND
Negicco
2014/04/16


(矢野博康さんと言えば個人的にこの夏一押ししていた夢みるアドレセンスの「くらっちゅサマー」もかなり良い感じの曲だ)、
西寺郷太さんプロデュースの「ときめきのヘッドライナー」
ときめきのヘッドライナー
Negicco
2013/11/06



そしてだ、小西康陽さんのプロデュース・作詞・作曲・編曲「アイドルばかり聴かないで」
アイドルばかり聴かないで
Negicco
2013/05/29



ちなみに我が家のitunesライブラリに、これ、全部入ってたんだよねぇ。もちろん意図せず録音されているというのもあるんだけど、曲数多すぎてよほどシャッフルがうまくいかなきゃ聞くこと無いからね。

このあたりまで振り返れば充分彼女たちの楽曲の魅力を実感できると思われて、もちろん歌ってる3人の12年もやってる割に全くすれてない素直な歌い方だったり、そういうのも含めてもってかれたわけですよ。
大変失礼ですが、うちの奥さんに言わせても「かわいい子○人しかいない」「声はいいのに声潰しそうな歌い方」「基本歌が下手」と散々なのですが、そういうのって逆に作られすぎていない地方アイドルならではの良さを感じるんですね。完璧容姿に完璧歌唱じゃ逆に彼女たち注目されなかったと思う。

で、「アイドルばかり聴かないで」はなかなかぶっ飛んだ曲で、サブカル的な方々にはかなり話題になっていたようでございます。そして、今頃になってこの曲に注目してしまったワタシはこの曲だけで3つは日記を仕上げられる自信があるくらい。そんなボリューム感がわずか3分28秒に収まっているわけです。
そして今日はこの曲のあるフレーズをフォーカスしようと思うのです。

「ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった」

これをタワーレコードの一レーベルである「T-Palette Records」のアーティストに歌わして、CDとして出す?って驚き。

前置き長くなりましたが本題はここから。

今時普通の人は本当にCDなんて買わないのか?という疑問から。
確かにね、ワタシもレコードショップ好きですからタワーレコードもHMVもよくお邪魔しますし、気に入った曲をCDで購入することもある。でも、Android携帯にCDから楽曲入れるのはなかなか面倒なことで、買った楽曲をろくに聴いてないことも多々。
普段はスカパーのスターデジオを録音しているので、嫌でも毎週500曲くらいはライブラリが増えていく。門外不出ではあるけど、実際これを全部聞くなんてできはしない。
音楽好きを自負するワタシもじゃあ年間どれだけCD買うの?って言われると、せいぜい10万円くらいまでじゃないかしら。月にアルバム1,2枚に音楽DVDちょこっとってとこだもの。

日本レコード協会の音楽ソフト種類別生産数量が公開されているんだけど、あくまで「枚数」ベースで
http://www.riaj.or.jp/data/quantity/
2014年 225,989(千枚)
となる。
最盛期は
1997年 480,706(千枚)
であるから、現在「音楽を」媒体として買う数は最盛期の半分以下になっているということだ。
しかし、ちょうど30年前の1984年はというと
1984年 228,595(千枚)
となる。逆に考えると90年代が異常で、原点に回帰しただけとも考えられる。
しかし、これにはダウンロード配信は含んでいない。これを含んでみよう。
2014年 196,539(千回)
足し算すると2014年は425,134(千枚・千回)となる。
あくまで「音楽を買う」という行動を起こした数で考えると思ったより減っていないのかもしれない。

当然、人口比も変わり、現在は楽曲を購入するのでは無い音楽配信サービスも多い以上、音楽を求める人が減ったわけでは無いと思いたい。


ところで、今もオリコンチャートというのは一種の指標。週間チャートで10位以内を目標というのはどんなアーティストでも目標にするものです。しかし、このチャートをなんとかするためだけに1人が大量のCDを買う「おまけ商法」のようなことがおおっぴらに行われるのは、やはり寂しいことであります。

「アイドルばかり聴かないで」で歌われる、金を積んでもデートとかキスとか結婚とかできないのよ残念!というのがだんだん当てはまらないのが昨今。あるアイドルは100枚購入でメンバー1名とデートできるなんてのがあったりする。

ワタシの知る限りのオリコンシングルチャートで最小枚数で10位を獲得したのは2011年4月11日山本譲二「旅路の果ての…」で、3,364枚です。最大は1995年11月13日福山雅治「Message」94,910枚です。今なら大量買いAKB関連が無ければダントツ1位でしょうね。

そういう意味でオリコンチャートに入るためにはコアなファンを100人集めて100枚買って貰えばいいという安直な形にしかならない。これがオリコンチャート上位の曲を一般的な「普通の人」が知らない最大の理由なのでしょう。

80年代にレコード売上偏重に一石を投じたTBSテレビ、ザ・ベストテンの総合チャート以降なかなか総合チャートというのがないなか2007年にBillboard JAPANが集計開始して、これはレコード売上だけでなくエアプレイやダウンロード、最近ではTwitterでの楽曲・アーティストに関するツイート回数までが集計されている。総合チャートとしては非常に面白い。

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/?kind=h100&date=2015-08-24

今週のチャートではyoutube再生数が多いのは「三代目 J Soul Brothers」ツイートが多いのは「miwa」CDの取り込みが多いのは「関ジャニ∞」ラジオでよくかかったのは「花岡なつみ」となる。つまりCDの売上だけではわからない「人気度」的なものがわかる。

そういう意味では「Negicco」さんはCD売上は6位(オリコンでは7位)だが、ラジオではほぼかからず、youtube再生数が伸びていないということになり14位、これは一般的な認知が低く、まだファンのCD売上に依存してるということが言えるので、もっとファンの裾野を増やす努力をしなければならなさそうですね。

そして、ツイッターもやらず、楽曲をダウンロードで買うことをあまりしない、いまだCDを買うワタシのような人はやっぱり「普通の人」ではないんだなと実感。

ねぇバーディア
Negicco
2015/08/11

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