2015/01/08 石川さゆり 70年代歌謡曲 楽曲紹介

「津軽海峡・冬景色」石川さゆり



歌詞のしょっぱなから東京・上野から青森まで連れてこられた石川さゆりさん。ワタシこの最初の歌詞があまりに印象が強すぎることがヒットの理由だと思っていたりします。

1977年当時まだ東北新幹線どころか東北自動車道すらまだ仙台あたりまでしか無く、上野駅からは東北へ向かう多数の列車が運行されていました。当時の時刻表を検索しますと上野発青森行きだけで15本もの夜行が出ており、そのどれもが10両以上の長編成で運行されているのがわかります。しかも当時の寝台は3段式で、廃止が予定されている北斗星のような個室もありませんでした。

そして青函トンネルもまだまだ先の話。もちろん飛行機はありましたが、まだまだ北海道へは青函連絡船に頼っていたのです。青森から函館への船旅は4時間を要していました。

そこでこの歌詞が出ます「ごらんあれが竜飛岬北の外れと」この曲の終着地がどこなのかはわかりませんが、華やかな東京から、夜行列車と連絡船に揺られる長時間の旅は様々なことを考えるのに貴重な時間だったのでしょう。

青函連絡船が無くなってはや25年以上が経ちました。そして、来年春に新幹線が函館まで開業します。いまや夜行列車に頼らずとも快適に旅をすることができます。それでも、この曲に歌われる傷心の女性には「時間」が必要だったのでしょう。そして、そういう「時間」をかける旅行は今ではすっかり敬遠されるようになりました。それも時間の流れでしょうし、今もなおこの曲が愛され歌い継がれる理由なのでしょうね。

「津軽海峡・冬景色」石川さゆり
発売日:1977年1月1日
オリコン最高位:6位
ザ・ベストテン最高位:16位
売上枚数:72.7万枚
レーベル:日本コロムビア
レコード番号:AK-43

1:津軽海峡冬景色
作詞:阿久悠
作曲:三木たかし
編曲:三木たかし
歌唱:石川さゆり

2:野の花のように
作詞:阿久悠
作曲:三木たかし
編曲:竹村次郎
歌唱:石川さゆり



この当時の石川さゆりさん。まだ19歳ですよ。15歳でデビュー後なかなかヒットに恵まれなかった石川さゆりさんがこの曲に賭けていたことが窺えます。

津軽海峡・冬景色
石川さゆり
2012/12/19

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