2015/09/04 読まなくていい日記 歌謡曲が好き

都市圏と地方の絶対的な差を音楽に見る



自分の子供の頃を思い出すと音楽ってすごく身近なところにあったと思う。
テレビを点ければ毎日歌番組があった。つまり子供の頃は「受動的に」音楽を聴いていたんじゃないだろうか。

しかし、こう言っていられるのもワタシが地方とはいえ比較的恵まれた「都市部」に住んでいたからに他ならない。
民放テレビ局でいえば1997年以降に新設された局は無い。特段CATVなどの契約を行わない限りにおいては民放テレビ局は現在も山梨・福井・宮崎は2局、徳島・佐賀は1局となる。80年代中頃で考えても民放4局を有する地域は大都市圏を除けば北海道・宮城・福島・静岡・新潟・岡山・広島・福岡くらいで、多くの地域では歌番組全盛時代にいずれかの歌番組を見ることができなかったことになります。

比較的広いエリアで見ることのできた日本テレビ系やTBS系に対してフジやテレ朝系が見られるようになったのは90年代という県も珍しくはありません。テレ東系に至っては今も北海道と瀬戸内以外は大都市圏しか見られないと思っていい状態です。もちろん番組の購入ということがありますから必ずしも系列のない局で全ての番組が見られないわけでもないですが、深夜だったりなかなか有効な時間に視聴できないというのはありますね。

たとえばザ・ベストテンは山形や富山では放送されていなかった。(そのくせ松山千春さんの中継が富山だった記憶がある)とうぜんその地域に当時住んでいた人はザ・ベストテンの話に懐かしさを感じないだろう。まして夜のヒットスタジオやミュージックステーションなんか見たことも聞いたこともないという人がいても何も不思議なことではない。


ラジオは早いうちからほぼ各県に1局民放AM局が設置されていましたが、大都市圏は2局、3局存在しています。まして民放FM局に至っては3大都市圏と福岡以外は80年代に入ってから開局で、90年代に入ってからの開局も珍しくありませんでした。地方にやっと民放FM局ができた頃関東では東京2局目に横浜・埼玉・千葉などFM局が乱立することになります。

首都圏のFMリスナーがj-waveで「何となく格好良い」音楽を聴いていた頃、FMといえばNHK、夜中にAMラジオをいろんな向きにくるくる回しながら首都圏のラジオ局を聞く地方在住者。そこには音楽に関わるという意味で大きな隔たりがあるように思います。

つまり、受動的に音楽を聴く環境が都市部と地方では大きく隔たりがあるわけです。特に今30代から40代の方、80年代から90年代に青春期にあった方々が見聞きした音楽に都市圏と地方では大きな差があるんじゃ無いかと思っているのです。特に80年代後半のバブル期は格好良いFMを聞きながらドライブというのが一種のステータスで、地方からすると少々理解できない文化であったはずです。この頃にFMを聞くことで洋楽に目覚めたとか多かったんじゃないかな。

その結果音楽の好みというものも都市圏と地方では随分異なるはずで、比較的早く様々なジャンルに触れることができた都市部と「商業音楽」しか触れる機会を与えられなかった地方では好みが大きく変わるのではないでしょうか。

確信を持ってはいえませんが、現在でもAKBやEXILEを好む(これが悪いわけではないが、受動的には彼らの楽曲がどうしても多く聞こえるだろう)人は地方に多いのではないかと仮設をたてているところです。

(コメント追記)
青森も函館からの越境受信によるCATVがあるようですし、現在では宮崎でも一部鹿児島の局をCATV受信しているようですから、格差は徐々にですが解消しているようですけどね。ただ、デジタル化後CATVでも見れなくなった放送局があるようなので、やはり地方の受難は続きますね。島根と鳥取のように2県で広域放送することでお互いにネット重複しないように調整している例があるだけに、隣接県相乗りがもっと認められていれば地域情報格差はかなり解決したんじゃないかと個人的には思っています。そういう意味では大都市を抱えた広域単一県の北海道はある程度田舎町でも5局見れるのですからかなり恵まれています。

山梨は逆にFM富士が三ツ峠山から首都圏に送信することで首都圏FM戦争に参入したことは面白いなと思っていました。しかし、逆にFM東京が受信の難しい地域ではJFN系の番組が聴取できないわけで、難しいところですね。FM富士は確か本局と三つ峠で別の放送をできる免許なので、やろうと思えば山梨向けと東京向けの放送ができるようですけどね。
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