2019/04/17 歌謡曲が好き

犯罪者の楽曲は聴いてはいけないものなのか



ピエール瀧氏の逮捕に伴い、昨今配信サービスも含め店舗からも電気グルーヴの楽曲が消えてしまっているわけですが、いまのところダウンロード済の楽曲までは手出しをされていないとはいえ、楽曲を聴く機会そのものを削除してしまう。それこそ「無かったものにしてしまう」ということに対して、怖さを憶えます。

「犯罪者の作った楽曲を聴いてはいけないのだ」とするならば、当然ピエール瀧氏だけでなく、過去から現在に至るまで数多くのアーティストが犯罪を犯し、違法薬物に手を染め、様々な処罰を受けてきたはずです。

しかし、発売禁止にも店頭撤去にも、まして配信サービスからの削除も行われていないのは今回の件だけは「商業的に」無いものにしてしまう方が利益が高いという話に他ならないわけです。
要はクレーム対処に屈しなければ、それに対応する人員を配置するだけでも各関係者の負担になるわけです。

これは、一部のアイドルグループに見る、最初からいなかったことにされちゃうメンバーのようなもので、非常に違和感を感じながら見ることになります。

さて、

東スポ
「ピエール応援団VS坂上忍」テクノ業界の大物がバイキングの論評にブチ切れ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190417-00000009-tospoweb-ent
ライブストリーミングサイト「DOMMUNE(ドミューン)」が先月26日、瀧被告へのエールを込めて電気グルーヴの楽曲のみで構成される5時間のDJプレーを生配信した時のことだ。
 同企画は約46万人が視聴するほどの大反響。バイキングでも取り上げられたが、坂上は「うがった見方をしたら、これを取り上げると、ここ(ドミューン)のこと知るよね」と売名扱いした。
これに激怒したのが、ドミューン主宰の映像作家・宇川直宏氏だ。公式サイトで「『事実をねじ曲げずに報道していただけるなら』と伝え協力したフジテレビの『バイキング』は、いびつな偏向報道によって、見事に真相を歪曲したまま公共の電波を辱めていた」と猛批判。その“報復”として、15日午後9時から坂上の恥ずかしい歌手時代の楽曲のみで構成される2時間のDJプレーを全世界に配信した。

こんな記事が配信されていたわけですが、これまた、東スポは「坂上忍氏の恥ずかしい楽曲」と思っているようですが、実際にはドミューン側は「「DJ Plays “坂上忍" ONLY!!」と銘打って、坂上さんを「知ろう」という考えなわけです。テレビで坂上氏が言った「知らない」に対して、彼の過去楽曲を「知らない」から「知ろう」じゃないかという観点なんですね。

なにより「彼の過去の楽曲をシングル10枚、アルバム4枚、サントラ2枚とフルコンプリート」というのは並みの努力ではできないはずです。子役時代に出した1977年のBIG1/王貞治から当サイトでも7枚しかシングルを把握していませんので、それ以外も含めて、相当な収集力が無ければ楽曲を全て集めることなど無理なのです。

廃盤レコードの復刻活動を行っていた「幻の名盤解放同盟」は「すべての音盤はターンテーブル上で平等に再生表現される権利を持つ」とスローガンにしています。
この考え方が私にとっての楽曲検索の基本です。当サイトはまだまだ情報量が不足していますが、いつかは、廃盤になろうが、全く売れない楽曲だろうが、世に出た全ての「歌謡曲」レコードが検索できるサイトにしたいという意気込みがあります。

そして、一度世に出た楽曲が「なかったこと」には決してできないのだというのを証明したいわけです。

それは本人が顔から火が出るほど忘れたい記憶の楽曲だろうが、商業的に忘れさせたい、無かったことにしたい楽曲だろうが同じです。レコードというのは「記録」という意味ですから、誰かがちょっとでも憶えている限り、決して消えることは無いのです。

また、アナログで記録されているレコードは、その単純さも相まって、どれだけ長い期間経っても再生できる状態を保つと思われます。1870年代に初めて実用化されたレコードは今でも再生できる状態です。

そして、「配信」は確かに手軽に多くの楽曲を聴くことができますが「なきものにしてしまう」事ができる怖さがあります。

新:2024年11月の当サイトアクセス傾向
前:NGT事件で本当に見たかったもの
次:女性グループのアルバム1・2位独占
このページのURL
https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=540
top