2024/08/22
歌謡曲が好き
もくたま特集
松村雄基
80年代歌謡曲
楽曲紹介
松村雄基さんのシングル楽曲を聴いてみる
目次
1981年06月01日 セクシーNo.1
1981年10月頃 ロンリー・デイ
1982年02月頃 横を向くな、ためらうな
1985年05月22日 夏のナイフ
1985年09月21日 Only You
1986年03月21日 気になるHEY GIRL
1986年09月21日 Night Game
1987年07月22日 Dance&Dance
配信
今週のもくたま特集は松村雄基さんのシングル楽曲を聴いていきます。1963年生まれの松村さんは1984年の「不良少女とよばれて」や「スクールウォーズ」など大映ドラマの印象が強い役者さんです。1980年に俳優としてデビューし1981年にはレコードデビューしています。
とはいえレッツゴーヤングなどの歌番組での披露は当初行われていなかったように思われます。1985年の再デビュー後に何度か出演しているだけではないでしょうか。そのため「歌手」としてのイメージがあまりない方でもあります。
アーティスト検索:松村雄基
https://www.thursdayonion.jp/search.php?aid=jg30HnCXAQrpiOWstWuOiQ%3D%3D
それではまずは1981年のデビュー曲から聞いてみましょう。当初アイドル的な要素で売り出すことを行っていたんじゃないかと思うのですが、なにしろ歌番組でお見かけしなかったので、ここからの3枚は今回初めて聞いた楽曲になります。
1981年06月01日 セクシーNo.1
「君はセクシー!ぼくにセクシー!夢の中じゃ特にセクシー!」もう出だしからちょっと笑顔になるデビュー曲です。でもね、このくらいインパクトがあった方がいいんじゃないかと思うんですよ。松村さんがアイドル歌手として定着したかったかどうかはわかりませんが、1981年前後は近藤真彦さんとか以前紹介した竹本孝之さんのデビュー時期とも重なります。
Track:1 セクシーNo.1
作詞:伊藤アキラ
作曲:鈴木キサブロー
編曲:川村栄二
B面は少し硬派です。目力が強い松村さんのイメージはこちらの方がいいかなぁとおもわないでもありませんが、きっとその強さが強調される方が嫌だったのかもしれません。
レコードジャケットにはプロフィールが記載されています。178cm62kgですか。いいなぁ背が高くて。好きな食べ物欄が「好き嫌いなし!」と優等生です。
Track:2 レイニー
作詞:伊藤アキラ
作曲:鈴木キサブロー
編曲:川村栄二
レイニー 松村雄基2008/1/23
1981年10月頃 ロンリー・デイ
残念ながら松村雄基さんの初期3曲はオリコンチャート100位以内に入ることがありませんです。2枚目のシングルは幻のような女の子に恋をして2番では盛場を探し歩くけど結局見つからないで終わっちゃうという、なかなか尻切れとんぼな楽曲になります。でもこの楽曲口ずさみやすそうで、テレビで見たら覚えちゃいそうですけどね。
Track:1 ロンリー・デイ
作詞:伊藤アキラ
作曲:鈴木キサブロー
編曲:川村栄二
B面も明るく、あれ、ちょっと松村雄基さんのイメージじゃないよなぁって楽曲に見えます。これはやっぱりドラマの不良な松村雄基のイメージが強いからだとも思うのですが、この当時は健全な好青年を狙いつつ、でも相応に悪かったんだぜって感じを楽曲でも表明したかったとも思うのであります。もちろんそのドラマでお見かけするのはもう少し後の話になります。
Track:2 踊れ!恋人
作詞:伊藤アキラ
作曲:鈴木キサブロー
編曲:川村栄二
踊れ!恋人 松村雄基2008/1/23 1536719738
1982年02月頃 横を向くな、ためらうな
デビュー2年目、作曲が杉真理さんです。あら、いい感じじゃないですか。少し機械的に変化させた声で横を向くなためらうな!です。セリフはやっぱり役者さん。俺たちには夢がある!と若干の嘘っぽさがいいんですよ!
Track:1 横を向くな、ためらうな
作詞:伊藤アキラ
作曲:杉真理
編曲:川村栄二
B面、同じメンバーの楽曲なのですが、印象が違うものであります。この曲いいじゃないですか!誰の曲?って絶対思うはずですよ。あまり歌手として活動する気があったかどうかはわからないのですが、この曲を聞く限り、3枚目で少し慣れてきた感もあってテレビで歌ったら少し話題になりそうに思うような楽曲だと思うんですよね。1982年の役者さんの歌としてはかなり上位にランキングできそうな(個人的には)気に入った楽曲です。
Track:2 誘惑星
作詞:伊藤アキラ
作曲:杉真理
編曲:川村栄二
誘惑星 松村雄基2008/1/23 1536719738
夏のナイフ 松村雄基
2008/1/23 1536719738
1985年05月22日 夏のナイフ
役者として大映ドラマなどテレビでよくお見かけしてからの再デビューな感じなのでしょうか。前作から3年がらっと作家陣が変わった4枚目です。オリコンチャートは33位まで上昇。ええ、なんとなくですが、松村雄基らしい楽曲だと思うんですよ。実際は不良なんかじゃないのですが、どうしても硬派な「めんどくさいな 女なんて!」ってセリフを言いそうじゃないですか。工場地帯を俺に似ている風景って格好いいじゃないですか!
Track:1 夏のナイフ
作詞:秋元康
作曲:水谷公生
編曲:水谷公生
同じくB面も不良感があるわけで、そして硬派に「帰りな!」ですよ。ギターが寂しく鳴ってぶっきらぼうにうたいはじめる。実際の松村雄基さんは3枚のシングルでそれなりに歌えるのわかっているのに、このぶっきらぼうさですよ。もうイメージそのものじゃないですか。
このあたりブランディングというか俳優さんがレコードを出す。その方向になったってことなんでしょうね。
Track:2 帰りな
作詞:秋元康
作曲:水谷公生
編曲:水谷公生
帰りな 松村雄基2008/1/23 1536719738
7月1日にファーストアルバム「Turn Loose」を出されます。そう、第一期の1981-82年はアルバムを出していなかったんですね。曲目は、
A面
1 GAME
2 20cmのExcuse
3 City Complex
4 Return Match
5 行くな よ Fade Out
B面
1 夏のナイフ
2 奪うさ
3 モラル
4 迷路の中で
5 帰りな
となっていまして、1981-82年楽曲は含まれていません。いや、入れようが無かったともいえましょうか。
1985年09月21日 Only You
なるほど、尾崎豊さんとは言いませんが、その系統な若さですね。なお、コーラスは町支寛二さんと浜田省吾さんがクレジットされています。そして、決してすごく上手とは言いませんが、ちゃんと練習して歌っているのが見てとれて、もう新人歌手ではないぞという威厳を示しているようにも見えます。
Track:1 Only You
作詞:内藤綾子
作曲:水谷公生
編曲:水谷公生
コーラスアレンジ:町支寛二
B面は浜田省吾さん的な楽曲と言えましょうか。デビューから時間を経過してアイドル的ではなく、自分も音楽として参加しているという感じがあって、すごくいいですね!「不思議な声が聞こえる 見えない声が俺の心惑わす」ですよ。幻聴が聞こえるとヤバいですが、でもそれも含めて若さです!
Track:2 さまよう世代 (Stray Age)
作詞:内藤綾子
作曲:水谷公生
編曲:水谷公生
コーラスアレンジ:町支寛二
さまよう世代 (Stray Age) 松村雄基2008/1/23 1536719738
そして、前作からわずか4ヶ月後の11月1日に2枚目のアルバム「STRAY AGE」を発表。このシングルB面曲の副題をタイトルにしたアルバムになります。「よりビッグなアーチスト目指して今、確かな予感!」という帯の釣書見ても意欲作と思われます。
1986年03月21日 気になるHEY GIRL
1986年の松村雄基さんは松下誠さんの編曲曲でスタート。近藤真彦さんの「一番野郎」とかのイメージですね。この後「愚か者」とか編曲されますし、さらに後にはSHOW-YAとかにも関わります。そう思うと、この楽曲、少し実験的だったかもしれませんね。
Track:1 気になるHEY GIRL
作詞:山本伊織
作曲:菊池琢己
編曲:松下誠
あれ?同じメンバーでの楽曲ですが、印象が違って、こちらは松下誠さんのもう一つの面、杉山清貴さんの「水の中のAnswer」とかの編曲につながっていくのかもしれません。いやぁ、編曲家さんってすごいんだなぁって改めて思ったりします。我武者羅は「がむしゃら」と読ませます。少し都会的な楽曲も似合うじゃないですか!
Track:2 我武者羅
作詞:山本伊織
作曲:菊池琢己
編曲:松下誠
我武者羅 松村雄基2008/1/23 1536719738
このシングルと同時発売なのが3枚目のアルバム「SUCCESS」です。1985-86は怒濤の勢いで音楽活動にいそしんでいたことがわかろうものです。
1986年09月21日 Night Game
目力のあるジャケットが格好いい7枚目、ちょっと印象が変わったデジタルチックな楽曲はこの時期少し流行りですよね。特にクレジットはありませんが、何かCMに使ってもおかしくない楽曲ですね。もう少し知られていてもいいと思うのです。いやぁ、こんな楽曲を歌っていたとは知りませんでした。聞いてみるものです。
Track:1 Night Game
作詞:内藤綾子
作曲:水谷公生
編曲:水谷公生
B面ですが、同じ作家陣でガラッと印象が変わります。本当に楽曲を作る方々はすごいなぁと思わせます。こちらは切なく彼女との過去の日々を回想します。会えない時間が愛育てるかどうかはわからないけれど、やっぱり会えない時間が長いのは辛いことであります。そしてその会えない時間が会えないことがあたりまえになって別れを決断する。そんなことを思い出したりもする楽曲。いいじゃないですか!
Track:2 君との日々
作詞:内藤綾子
作曲:水谷公生
編曲:水谷公生
君との日々 松村雄基2008/1/23 1536719738
1987年07月22日 Dance&Dance
約1年後に発売された松村さんの1980年代最後のシングルになります。デビュー曲の作詞伊藤アキラさんを起用したところも含めて最後という意識があったのかどうかはわかりませんが、ここにきて先祖返りしたような楽曲を出してきたのはちょっと驚きでありまして、それも含めて最後ということなのかもしれません。すこし棒読み的な英語も含めて素直な方なんだなぁと思ったりもします。
Track:1 Dance & Dance
作詞:伊藤アキラ
作曲:菊池琢己
編曲:菊池琢己
B面いいですねぇ!東京の夜って、やっぱりビルの明かりが闇に映えていくわけで、そこには少し終末的な魅力なんかもあって見ていて飽きません。そして楽曲は少し字余りが気になるけれどその夜を感じさせる楽曲に見せます。とはいえ最後の楽曲と思うと、もう少し違う面が見たかった感はあります。残念ながらアルバムは配信がないので聞いてはいないのですが、もう少し違った楽曲があったのかもしれません。いやぁ、もう一つ深く聴きたい、そう思わせる、惜しいなぁと思うシングル楽曲の数々なのであります。
Track:2 Tokyo Night
作詞:真名杏樹
作曲:菊池琢己
編曲:菊池琢己
Tokyo Night 松村雄基2008/1/23 1536719738
そして4枚目のアルバム「Champ」を同時発売しています。1985年からの3年は「乳姉妹」「ポニーテールは振り向かない」「花嫁衣装は誰が着る」と大映ドラマに出ずっぱりだったと思われる松村雄基さんが、これだけの音楽活動をされていたというのは正直意外であります。ちなみにファーストライブと銘打ったライブビデオが1986年に発売されています。
配信
シングル楽曲はベストアルバムの形で全て配信されていますが、アルバムがないのが本当に残念なんです。配信されているベストアルバムのアルバム曲である17-21を聞く限り、アルバムは期待できますので、是非配信してほしいなぁ。
インタビュー記事ではデビュー当時から祖母の介護を自ら行っていたとの話もあり、そしてドラマ、舞台で活動しながら音楽活動としてこれだけの楽曲を残されていたというのは本当に驚く限りです。1987年に音楽活動は一区切りされますが、その後も2010年代にライブ活動をされており、アルバムも出されています。
今回ふと思い立って聞いてみた楽曲が、今までの俳優さんとしての印象と少し異なるという、印象が違うというのはこの趣味やってこそわかるって感じで、是非皆様もその気持ちを味わっていただければなと思っております。やっぱりこの趣味やめられないなぁ。