2024/07/11 歌謡曲が好き もくたま特集 松山千春 80年代歌謡曲 楽曲紹介

松山千春さんの1980年代シングル楽曲を聴いてみる


目次
  1. 1983年06月21日 電話
  2. 1983年09月21日 流れ星
  3. 1984年03月21日 On the Radio
  4. 1984年10月21日 男と女
  5. 1985年06月25日 ナイト・エンジェル
  6. 1985年11月10日 燃える日々
  7. 1986年04月25日 野良犬
  8. 1986年10月10日 旅路
  9. 1987年04月25日 七つちがい
  10. 1987年10月25日 春夏秋冬
  11. 1988年05月25日 いつのまにか
  12. 1988年11月10日 愛のぬくもり
  13. 1988年12月21日 午前3時
  14. 1989年04月25日 抱きしめたい
  15. 1989年11月10日 SWAY
  16. 配信

今週のもくたま特集は松山千春さんです。1977年デビューの松山千春さんはラジオとコンサートでの活動をメインに、テレビの出演を拒否、それでもなんとか出演がかないテレビ初出演となった「ザ・ベストテン」の1978年11月16日旭川からのライブ映像でのパフォーマンスは様々な意味で「伝説」となり、人気を不動のものにしています。

さて、1981年の大ヒット曲「長い夜」以降の松山千春さん。もちろん継続的にヒット曲を生んではいるんですが、なかなかその楽曲が語られることは少ないようにも思うのです。あくまでも順位というのは曲の優劣とは関係ない話ではありますが、今回当サイトではオリコン10位以内を獲得できなくなった最初の曲。1983年の「電話」からの15タイトルのシングル曲計30曲を聴いてみたいと思います。

松山千春さんはアルバムにシングル曲が含まれることが少ないと思っています。しかし、起承転結シリーズでベスト盤としての各楽曲を収録しており、現在はサブスク配信も対応して簡便に聞くことが可能です。

アーティスト検索:松山千春
https://www.thursdayonion.jp/search.php?aid=mEqGPyOZiIlJ8g4S0KnSgQ%3D%3D

それでは1983年3月のコカコーラCMソング「Sing a Song」から3ヶ月後に発表された「電話」から聞いていきましょう。

電話
松山千春
1984/1/1 212272660

1983年06月21日 電話

やっぱり寂しい曲なのですが、この当時の男性の我儘といいますか、その根拠のない自信はどこから来るんだろう?って思っちゃう昨今です。部屋の鍵はかけない、つまり帰ってくることが前提で別れているわけで、そしてこの後も電話することを隠していない。もちろん、そこに男性の諦めきれない気持ちなんかもありますが「それから今度働いてみるからね」ですからねぇ。ヒモじゃないですか。
この当時このようなダメ男も女の子と付き合えて別れを経験できたと思うか、こんな男だからダメだったと思うかはなんともですが、1983年にしては少し視聴者の気持ちとズレてきているのかもしれません。

Track:1 電話
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:服部克久

B面「このまま僕は死んでいく」ですから穏やかではありません。しかし、こちらは信じた人に裏切られた(それは女性かどうかはわからない)どこか千春さん、この時期辛かったんじゃないですかね。NEWSレコードの話もどこかで書くかもしれませんが、ご苦労があったでしょうし。

Track:2 流れ雲
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:服部克久

流れ雲
松山千春
1984/1/1 212272660


流れ星
松山千春
1984/1/1 212272660

1983年09月21日 流れ星

「胸さわぐ苺たち」というドラマは残念ながら見た記憶がないのですが、小林麻美さん、石野真子さん、原田結実さんの三姉妹が境遇の悪い中生きていく、そして三女に至ってはオリンピック出場を目指すフィギュアスケート選手ですので、当時のフィギュアスケート選手が出演していることもあって再放送が行えないドラマの一つのようです。
ドラマが前向きですから主題歌も少し明るめに前向きです。千春さんはきっと誰もの幸せを願って曲を書くのだろうと思います。「手を合わせ目を閉じてお互いの明日を願う」のです。

Track:1 流れ星
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:松原正樹
TBS・TV木曜夜8時ドラマ「胸さわぐ苺たち」主題歌

B面はうん、どこかで聞いた千春さんです。そして女性言葉の女性の立場の楽曲は、それが本当の女性の気持ちかはわからないながらも、それを信じていたいと思わせる説得力があるとも言えます。でも、それが思う女性像は少し古さを感じさせてしまうのが、A面のドラマとも少し違うのかもしれません。

Track:2 愛は物語
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:松井忠重

愛は物語
松山千春
1984/1/1 212272660


On the Radio
松山千春
1984/1/1 212272660

1984年03月21日 On the Radio

千春さんはラジオの人。長くSTVラジオで番組を持っていました。結果それが意図しない形で終わってしまうのは、大人の事情というのが当人の弁明もなく長く続けたラジオを終わらせるだけのことだったのかとも思うのであります。とはいえ今も松山千春さんのラジオは北海道を含む多くの地域で流れています。
1984年当時のラジオというのはもう少しパーソナルなもので、今のSNSに近い、非常に語り手と聞き手が近いメディアだったように思います。そのラジオを長く続けていた千春さんだからこそ、そこにあまり言葉を使わずに楽曲にした感があります。今もラジオの声ではっとします。ラジオは他のメディアとは少し違う、どこか近いメディアなのです。

Track:1 On the Radio
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:奥慶一

この曲がすごく気に入ったのは、誰もが子供の頃に思った「雨は歌っている」という感覚をそのまま楽曲にしたということ。雨の夜に悔しさだったり悲しさだったり、うまくいかなかったことを雨の音を聞きながら思うことは誰しもありましょう。ワタシ自身も雨の中車で走るのが好きであります。ちょっと千春さんらしくない楽曲かもしれないけどおすすめです。

そういえばこの楽曲のジャケット、写真じゃなくてイラストなんですよね。子供向けコーナーとかに置いてあってもわからない感じです。いや、わかりますね(笑)
Track:2 雨の歌
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:戸塚修

雨の歌
松山千春
1984/1/1 212272660


男と女
松山千春
1987/1/1 213344465

1984年10月21日 男と女

男と女は永遠のテーマです。やっぱりここに収斂してしまう面がありましょう。そしてこの楽曲は刑事ドラマの主題歌でもあります。もちろん、全てがうまくいく人もいるんでしょうが、大抵の男性は女性にモテたくて頑張りますし、それは本能的にどうしても目の前の女性を愛したい生き物でありましょう。そして、それが「束の間」そう長くない間であることも知っていますし、もしかするとそれをしてはいけない間柄かもしれません。刑事ドラマもハードボイルドはつきもの。硬い茹で卵・・・
それにしても編曲の妙といいますか、刑事ドラマっぽい出来になっています。

Track:1 男と女
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:林政宏
TV朝日「私鉄沿線97分署」主題歌

雪が降る地域の人と、降らない地域の人には大きな隔たりがありまして、本当の粉雪の「粉」加減というのはなかなかわかっていただけないようにも思います。そして粉雪の儚さとその一粒一粒が「夢」なのかと。空を舞うというものはそう多くはありません。雨ではなく、霧でもなく、まして塵でもゴミでもなく、そして何もなかったように消えていく「雪」というものは不思議です。北国の人はその凶暴さを知り、そして春になると跡形もなくなくなるものに一喜一憂するのです。その儚さを何かに例えて。

Track:2 粉雪
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:林政宏
TV朝日「私鉄沿線97分署」エンディングテーマ曲

粉雪
松山千春
1987/1/1 213344465


ナイト・エンジェル
松山千春
1987/1/1 213344465

1985年06月25日 ナイト・エンジェル

恋することに苦しみを覚えるのはどういう時なんでしょうね。全くモテない時期を過ごして、でも、今は家族に恵まれたワタシにとって苦しい時は好きな気持ちを打ち明けようがない、それをしてはならない人に対してのものでしょうか。
そう思うと、愛を語れる相手、昼も夜も相手を考えられるようであれば、そんなに苦しくないのかもしれません。最近80年代の楽曲を思うと「おまえ」と彼女を指すのが、少しだけ古臭く感じるんですね。おまえのことをって今の子は喜んでくれないだろうなとも思いますし、どんなに親しい相手にも「お前」は使わない言葉になっています。
レコード会社を移籍して最初の楽曲というのもありますが少し激し目で、ライブで盛り上がりそうな楽曲です。

Track:1 ナイト・エンジェル
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:林政宏

B面も少し印象が違うんじゃないかなと思う楽曲を持ってきています。こちらは「君」を使っていますね。このあたり使い分けがあるということでしょう。遠くに行く彼女は「君」近しくないことを相手を呼ぶ言葉でも変えているといいましょうか。
そして「もう一度逢えたならうまくやるんだ」というのがぐるぐるします。いろんな意味で相手とうまくいかなかったことは誰の胸にも一つや二つあるものです。

Track:2 情熱
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:瀬尾一三

情熱
松山千春
1987/1/1 213344465


燃える日々
松山千春
1987/1/1 213344465

1985年11月10日 燃える日々

男女の関係というのは時代と共に変わっていって、俺が俺がと引っ張っていく男にただ付いていくような女性という「カタチ」はもうこの時期ですらありません。結果「ささいな」ことでうまくいかなくなる。そして時代が変わったことに気がつかない男が困惑していく。そして、男はその思い出をずっと大切にしてしまう。
あまり昔のことは思い出さない方が精神衛生上いいと思うんだけどなぁなんて思っちゃうのですよね。それにしても千春さんらしい曲だなぁ。もちろんこういう曲を求められて本人も作っているわけですから。

Track:1 燃える日々
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元

アーティストは政治的な話をするべきか?みたいなことはよく聞くわけですが、松山千春さんはそれを隠すことはなかったように思います。誰もが千春さんといったら思い浮かべる議員氏がおられると思います。政治的なことかどうかはともかく、何かこの高揚感あふれる社会がバブルに向かっていく時代に閉塞感のようなものを感じながら曲を書いていたのは、きっと、それにあぶれてしまう人に向けたメッセージなのだとも思うのです。
ただ、あくまでワタシ個人は政治の安定がなければ「泣く人が増える」のであります。その政治の変化に耐えられる人ばかりではないんですね。そういう意味では革新的な方が多かった北海道というのは、それだけ辛い思いをした人が多い地域でもあるのです。

Track:2 あふれる愛
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:戸塚修

あふれる愛
松山千春
1987/1/1 213344465


野良犬
松山千春
1987/1/1 213344465

1986年04月25日 野良犬

この2曲は歌詞が短いのですが、だからこそ訴える言葉の強さを感じます。この時期に、今までになかなかない楽曲を作って、なおかつ、何かの変化を求める。世の中が浮かれていく中で、少しそれに反骨している様をみるのです。
千春さんが歌うのは「今」であって、今の延長が未来であると思えば、ここで何かに鼓舞して立ち上げようとする気持ちはわからないでもありません。ただ、ワタシは失うのが怖いのでできることは限られる。失うものが本当になくなった時、それは強いだろうけど、それは誰かにとって失ってほしくないものを傷つけることにもつながるのです。だから、誰もが大切なものを持っていてほしい。

Track:1 野良犬
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:戸塚修

「はな」とローマ字がふってあるくらいですし、極端を言えば売れるか売れないかというものではなく自身が出したい曲を出せるようになったとも言えるのかもしれません。そして大切なもの、ひとりにしたくない人、愛しい人と長く一緒にいたい。夢は夢です。

Track:2 華 (Hana)
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:戸塚修

華 (Hana)
松山千春
1987/1/1 213344465


旅路
松山千春
1987/1/1 213344465

1986年10月10日 旅路

10周年メモリアルとしてデビューシングルの「旅立ち」を再録したアルバムをリリースしています。アルバムには入っていないのですが、このシングルは10年を経った心境のようなものが語られていると言えましょう。
「もし貴方が生きてゆくなら 私もどこかで生きています」なかなか言える言葉ではありません。やはり浮ついた世の中ではありますので、その中で運命としての人生をどう歩くのか、結果的に思い通りにはならなくても「夢すべては悔いなき日々」と言い切る。それを歌詞に入れて歩いていくとします。なかなかそれはできるものではありません。

Track:1 旅路
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元

聞き慣れた「旅立ち」も、改めて聞くと同じように「あなたはあなたの道を歩いてほしい」なんですね。この10年で社会は大きく変わって、1986年の今この楽曲、言葉への感想はかなり「古い」と思われていたことでしょう。そしてその時代に疲れた人は、この曲を懐メロとして歌い、このような主人公がある意味もてはやされていたと思うと、それが辛い。そんな気持ちがあります。
この時代からもはや40年です。今聞いたら特に女性の皆さんどう思うでしょうか。

Track:2 旅立ち
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元

旅立ち
松山千春
1986/1/1 467031441


七つちがい
松山千春
1987/1/1 213344465

1987年04月25日 七つちがい

7年の差というのはジェネレーションギャップを大きく感じるかもしれません。ワタシは年上の妻と5つ違いで、やっぱり子供の頃の思い出や好きなアーティストの話では新鮮な気持ちになります。妹とは6つ違いで、子供の頃も当時やっぱり話は合わなくて。
20代や30代として7つの差は、今なら少々犯罪的で、それも込みでの楽曲は少し見ていて微笑ましくなるような風景を感じさせる楽曲です。
ワタシにも近しい友人に少し歳の離れた方がおりますが、逆に気を遣わせてしまっているなぁと反省しきりで、でも、やっぱり可愛くて少しだけ切なくなりますね。元気でいてくれれば、そしてこんなおっさんに無理して構わなくてもいいんだよって思ったりもするのよね。

Track:1 七つちがい
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元

証券会社のCMになる楽曲って、いや、儲かりまっせ、投資してくださいな、手数料はいただきまっせ!って感じだと思うとちょっとこの楽曲は合わないのかもしれません。そうではなく、過去を少しだけ思い出して、まだ続く人生にやっぱり少しお金は必要で、そんなことを考え直してね。そんな感じかしら?

Track:2 あなただけの季節
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:奥慶一
野村の「エース」CFイメージソング

あなただけの季節
松山千春
1987/1/1 213344465



春夏秋冬
松山千春
1990/1/1 212274606

1987年10月25日 春夏秋冬

「はるなつあきふゆ」と読ませます。1年というのは早いもので、ここ最近じゃあっという間に季節が過ぎ去って、ちょうど今時期「夏らしいことしたいなぁ」と思っている間にきっと夏は終わってしまうのです。
短いフレーズの中に、それを盛り込んで、そして明日は少しだけ今日より良くなるはずと歩いていくのもまた人生。秋には秋の楽しみが、冬には冬の楽しみがあるはずで、そしてまた、きっと来年の春を迎えられるはずと思いたい。そしてそれが続かない、いつか終わることも知っているのです。

Track:1 春夏秋冬
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元

女性の立場になったことはないので、千春さんの女性目線の歌詞が正しいかどうかはわからないけれど、男性目線の「素直な女」なんているはずがなくて、誰もがひとりの自我を持った個人でありますから思うままにはならないのは当たり前の話です。そして、きっと男女問わずに自分にとって素敵な人と(もちろん恋愛感情関係なしにね)一緒の時間を過ごせるのが幸せなことだなと思います。敵対する人と無理に仲良くなることも必要ではないし、自分から離れていってしまう人は、そういう運命なので仕方ない、後を追わないほうが幸せです。どこかひっかかるとしてもね。

Track:2 ブルース
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元

ブルース
松山千春
1990/1/1 212274606


いつのまにか
松山千春
1990/1/1 212274606

1988年05月25日 いつのまにか

もし、ネットが使えるとか、もちろんお手元にそれをお持ちであれば、1988年のアルバム「自由の彼方へ」のジャケットを見てほしいわけです。アルバムジャケットに描かれている千春さんの肖像画はペーター佐藤さんの作品。若くしてこの世を去られたイラストレータペーター佐藤さんが描く千春さんは格好いいですね。
アルバムにシングル曲が含まれるのは千春さんにとって珍しいような気がします。そして、アルバムの1曲目がこの曲です。このような苦しい愛は経験のないことですが、そういう経験あればこその歌詞なのでしょうかね。若干アルバムの1曲目から気が滅入りますが。

Track:1 いつのまにか
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:有坂秀一

改めて「幸せとは何か」と問われたならば、それはワタシも「平凡」と答えるかもしれません。感情の起伏がない方が気分が穏やかで、ある日目が覚めることがなく死ぬことが一番幸せかもしれません。いや、残された方は大変なので死に場所はもう少し選びたいと思いますが。
多くの人は「今日生きてよかった」とは思えないのかもしれませんが、明日も素直に生きていたい、もう少しだけ長く生きていたい。そう思うのです。

Track:2 幸せ
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:丸山政幸

幸せ
松山千春
1990/1/1 212274606


愛のぬくもり
松山千春
1990/1/1 212274606

1988年11月10日 愛のぬくもり

紙ジャケの裏ジャケットの千春さんはちょっとイメージと違うお顔。少し「薄く」なってはいるけど、格好いい。暑い日が続くと「ぬくもり」というのはつい跳ね除けたくなるものではあります。何も気温が体温以上になる必要は全くないのですが、昨今の暑さは命にかかわりますので御用心を。
ただ、曲は11月ですから少し人恋しく、その温もりがあれば少し頑張れる、おっさんになって思うのは、それが滅多なことではないが、まぁ、そんな時は嬉しいのだということで、少しだけ、あと少しだけ目の前のあなたといたいのです。

Track:1 愛のぬくもり
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:戸塚修

直接的な「trouble」というタイトル。そのトラブルが過去のことなのか現実のことなのか、いや、もしかすると「彼女」は昔の彼氏の出現、そして出会った頃の話を持ち出す男を快く思っていないようにも見えます。やっはり引き際は大事。嫌われたら仕方ないのです。

Track:2 Trouble(トラブル)
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:大石学

TROUBLE
松山千春
1990/1/1 212274606


午前3時
松山千春
1990/1/1 212274606

1988年12月21日 午前3時

同じく紙ジャケです。もう8cmの短冊型CDも出ている時期ですし、裏ジャケが歌詞カードというのはデザイン的な意味もあるのでしょう。バブル期の夜中は昼間のように明るくて、そして時間を惜しみ遊ぶ人も、夜中に腹をすかせる人もいる。多分彼女は夜のお仕事。「今日も1日頑張ったね」と声をかけられる人って素敵なのだと思うのです。まぁ、その彼女が来るかどうかは怪しいところではありますし、その彼女は「彼女」なのかどうかすら怪しいのではありますが、それも含めて男というのはそういうものなのでしょう。久方ぶりなギター一本的な楽曲も、改めていいですね!

Track:1 午前3時
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:丸山政幸

「君の心を奪うために僕はひたすら努力した」「君の愛にこたえるため僕は勇気を友達にした」いやアンパンマンじゃないですよ?でもね、これ、言えないですよ。誰しもあの娘とうまくいったらいいなぁまでは思っても、そのためにできることをやりゃしない。そしてあの娘はどこかのだれかと恋仲になる。それの繰り返しです。でも、それでいいやってそんなふうにも思うんですよね。自分の努力で振り向くってことは努力しなくなったら見向きもされないの?って思っちゃうわけじゃないですか。いや、この曲いいんだよ。どこかで忍ばせておきたい。

Track:2 SAY
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:奥慶一

Say
松山千春
1990/1/1 212274606



抱きしめたい
松山千春
1989/4/25 212274606

1989年04月25日 抱きしめたい

昭和が終わり、平成の世の中になりました。相変わらず街は騒々しく、そこか浮かれた中で、千春さんはペースを乱さずシングルを出し続けています。久々のタイアップ付きの楽曲は先日終了した「世界ふしぎ発見!」のこの時期のエンディングに使われています。
直接的に「抱きしめたい」を繰り返す歌詞は素直です。そして「お前」と呼ぶ、そこはきっと照れ隠しもありましょうが、でも、彼女は本当に抱かれたいのかしら?って思っちゃうのがモテない男の疑念です。そして「お前以外に何もいらない」と言いたいけれど、もう少し大切なものがいくつかあるんだよなぁって言っちゃうからモテないんだよな。

Track:1 抱きしめたい
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元
TBS系TV「世界・ふしぎ発見!」テーマソング

北海道の田舎町の出身であるワタシも、都会かぶれな第三者に何かと批評されるあの感じが非常に腹立たしく、実際そんな人は都会的なサポートがある状態だからこそ生きていけるのに、なにか自分だけで生きているような生活しているようなことをいう方は本当に嫌いです。しかし、ここまで挑発的に歌うような楽曲を出せるというのは、何か腹に据えかねたものがあったのでしょう。
ただワタシの街は素晴らしいというだけでなく、ここまで反骨で歌うのは一度聞いてみてほしいなとも思うのです。

Track:2 ホーム・タウン
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:飛澤宏元

ホーム・タウン
松山千春
1990/1/1 212274606


SWAY
松山千春
1990/1/1 212274606

1989年11月10日 SWAY

レコードジャケットには1989年の10月から12月までのコンサートツアー一覧が載っています。3ヶ月で40公演以上、大きな街だけでなく、都市郊外の小さなホールも含めて、松山千春さんがテレビを舞台にせずに、直接的にステージを見せる活動を続けていることがわかります。見た目にオリコンチャートなどが上がらなくても、聞く人がわかってくれればいいという割り切りもあるのでしょう。
そしてこの楽曲のように今までの松山千春さんのイメージではない曲も発表していく。そして、エロい。その精力的な様というのを改めて感じることができた今回のもくたま特集でした。いやほんと、聞いてみるもんですよ。

Track:1 SWAY
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:大石学

今回、最後にこの曲を紹介したかったわけです。1980年代の最後に「希望」を持ってきました。どんな人にも、どんな立場にも、どんな境遇にもきっと「希望」があって、そしてその希望を少しでも叶える。でもジャケットの裏は裸の女性のシルエットで少しエロいのです。いえいえ、男性にとって希望の一つは幾つになっても女性との甘い時間なんです。

Track:2 希望
作詞:松山千春
作曲:松山千春
編曲:大石学

希望
松山千春
1990/1/1 212274606


配信
ここまでの楽曲をまとめてみました。松山千春さんはシングル楽曲をベスト盤としてまとめておられて、非常に簡便に聞けるようになっています。
最後に、松山千春さんの各レコードの裏にはファンクラブの案内があるんですが、この案内、あまり他のアーティストではみないような内容なので触れておきたいと思います。

「千春を見守る会」からのお知らせ
「千春を見守る会」は松山千春と彼の音楽を支持して下さる方々によって結成された、唯一の任意団体です。
千春に関する情報はもちろん、さまざまな企画などを含めて、より多くの方に千春を理解していただくための努力をしています。

「理解していただく」ファンだから好きだからという一般的なファンクラブに対して、ファンになったらそれ以上に「理解」してほしい。そして、あくまで「松山千春本人と音楽」を支持している人が結成している団体であるという意味では、レコード会社や芸能事務所だけが関与している(もちろん千春さんの会もそれは関与してるだろうけれど)わけではないという、ちょっと毛色の違いを感じるのです。
会報は既に180回以上を数えて、もちろん今も新規会員を募集しています。


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