2024/06/06 歌謡曲が好き BaBe もくたま特集 80年代歌謡曲 楽曲紹介

BaBeのシングル楽曲を聴いてみる


目次
  1. 1987年02月21日 Give Me Up
  2. 1987年05月02日 I Don't Know
  3. 1987年07月22日 Somebody Loves You~明日の恋人~
  4. 1987年10月21日 Hold Me!
  5. 1988年01月21日 TONIGHT!
  6. 1988年05月11日 Get a Chance!
  7. 1988年08月31日 WAKE UP!
  8. 1989年03月01日 She has a dream
  9. 配信

今週のもくたま特集はBaBeを聴いていきましょう。
近藤智子さんと二階堂ゆかりさんの2人でのユニットで、元々ダンススクールでの結成ということで、歌って踊れるアイドルのはしりと言えましょう。
デビュー直後にラジオで流れてきた「Give Me Up」はそれまでのアイドル楽曲の常識のようなものを大きく覆した衝撃的なものでした。洋楽カバー楽曲のカバーは1980年代でも麻倉未稀さんの「ヒーロー」やMIEさんの「ネバー」、石井明美さんの「CHA-CHA-CHA」と間を空けずに行われていますし、直前には長山洋子さんが「ヴィーナス」を発売、ちょうどBaBeのデビュー時期と重なっています。

アーティスト検索:BaBe
https://www.thursdayonion.jp/search.php?aid=2aco%2Ffb6jjk5uc98Okk2rA%3D%3D

1987年3月5日のザ・ベストテンのスポットライトでBaBeのおふたりを始めて見たんじゃないかしら。当時は洋楽もよくラジオでかかっていたので原曲Michael Fortunatiの印象も強くて、おお、ちゃんと「和風」(ちょっと違うが)になっとる!と当時思ったものであります。
それでは聴いていきましょう。

Give Me Up
BaBe
1987/2/21 1482747547

1987年02月21日 Give Me Up

ところで、原曲Michael Fortunatiさんの楽曲、意味を見てみますと、最初の「Is it the first time in your life」で直訳しちゃうと「人生は初めて?」になっちゃうけど、これは恋愛、というか、男性を弄んでいた女性に対する恨みつらみ、もう関わりたくないみたいな感じの、こんな「ゲスい恋愛は初めて?」って感じになるんでしょうね。

そう思うと日本語の歌詞はずいぶん意味が違います。ドラマの世界観もあったのでしょうが、ちゃんと青春歌謡に綺麗に纏まっているのが森雪之丞先生のお仕事と言えましょうか。
そして原曲のイメージを残しつつも、爽やかなポップスに仕立てた編曲大村雅朗さんもすごいと思うのです。今でもたまに聴いて当時の甘酸っぱい思い出が蘇るのです。

Track:1 Give Me Up
作詞:Mario Nigro・Pierre Nigro・M.De San Antonio
作曲:Mario Nigro・Pierre Nigro・M.De San Antonio
編曲:大村雅朗
日本語詞:森雪之丞
フジテレビ系放映ドラマ「あまえないでョ」主題歌

B面ですが、こちらはTracey Ullmanさんが1983年にヒットさせたThey Don’t Know。

They Don't Know
Tracey Ullman
1983/6/1 1365567701

さらにその前にKirsty MacCollさんが1979年に発売しているそうです。
こちらが副題として「〜哀しみは朝の雫のように〜」となっていて、原曲の歌詞が周りはあの男はダメだというけど私は付き合っていくわ〜みたいな感じだけど、こちらは別れた直後の女の子の気持ちを歌っております。曲の感じは確かにそれであってもおかしくない感じですよね。

Track:2 They Don’t Know〜哀しみは朝の雫のように〜
作詞:Kirsty MacColl
作曲:Kirsty MacColl
編曲:大村雅朗
日本語詞:森雪之丞

They Don't Konw
BaBe
1987/2/21 1482747547


I Don't Know
BaBe
1988/4/29

1987年05月02日 I Don't Know

ワタシが中学3年の頃でございました。クラスの仲の良い友達と集まって、この曲を聴いて、一瞬で引き込まれて気に入った楽曲であります。カバー曲?と思ったら、ちゃんとこちらはオリジナル楽曲です。やっぱりサビ頭はぶち上がっていいですよね。ランキングもどんどん上がってザ・ベストテンでは3位を獲得しています。当時の中高生はこの曲に元気を貰えたって子も多かったんじゃないかなぁ。
よくよく歌詞を読むとなかなか辛辣で、でも、どこか鼓舞されるから、この曲を自分の糧にできたらいいな。当時は思っておりました。

Track:1 I Don't Know
作詞:森雪之丞
作曲:中崎英也
編曲:中崎英也・杉山卓夫
フジテレビ系放映ドラマ「アナウンサーぷっつん物語」主題歌

B面はこれまた当時のいたいけな思春期を掴むような歌詞であります。今は親にわからないように他人と接触するのはわけもないこと。だから、本人の自覚だったり、節度だったりが大事で、親としてはそこまで育てられるかどうか。
でも、貴女が思ってるよりもきっと相手の男はそこまで感じてないんだろうなぁとか思っちゃって、どこか他人を信じることができないものであります。大人も悪くないもんだよ。

Track:2 大人は判ってくれない
作詞:森雪之丞
作曲:羽場仁志
編曲:杉山卓夫

大人は判ってくれない
BaBe
1988/4/29

この直後の1987年6月21日にファーストアルバム「Bravo!」を発表します。シングル「Give Me Up」「I Don't Know」を含みオリコンアルバムチャートで2位を獲得します。12曲とボリュームがあり、また、シングル曲はアレンジが異なります。
ところで、BaBeのお二人の歌声どちらがどちらかわかりますか?アルバムの釣り書きには「近藤智子 ピリリと辛口スパイシーボイス」「二階堂ゆかり トロリと甘いキャンディーボイス」となっています。そして二人の声が重なった時の気持ちよさって、あまり他に類を見ないので、アルバムで確認してほしいですね。アルバムの出来が良くて、今回改めて聞き直しましたが、すごくいいです。

Somebody Loves You~明日の恋人~
BaBe
1987/7/22 1482742787

1987年07月22日 Somebody Loves You~明日の恋人~

当時、とても気になった楽曲。歌詞を何度も読み込んで、そして楽曲に溺れた。なんでしょうね、この曲は自分の心に刺さったんですよ。そして二人がただ元気です!と踊り歌っていたよりも、少し落ち着いてその歌唱力を見せつけた感があって、BaBeを少し色物的に見ていた方も惹きつけたように思う楽曲であります。
BaBeは当時の悩める中学生、高校生のあまり目立たない、あまり表に出ないタイプの子を少しだけ鼓舞してくれたように思うんですね。それでも見てる人がいたり、何かを始めたり、「明日の恋人」だけど、恋人だけじゃなくて、明日もう少し楽しいよって。

Track:1 Somebody Loves You~明日の恋人~
作詞:さかたかずこ
作曲:中崎英也
編曲:大村雅朗

武部聡志さんの作曲で、もう少しイメージの違う楽曲をここに持ってきました。ファーストアルバムの中に入っていたこの曲、多分BaBeのイメージにないと思うんで、聴いて驚いてください。そして「お馬鹿さんだね」って言われてキュンキュンしてほしいのです。この2人の掛け合いになってる楽曲が楽しくて、改めてBaBe好きになりました。これ、アルバムもう一回履修だな。

Track:2 わがままはお好き?
作詞:森雪之丞
作曲:武部聡志
編曲:大村雅朗

わがままはお好き?
BaBe
1987/7/22 1482742787


Hold Me!
BaBe
1987/10/21 1482742678

1987年10月21日 Hold Me!

4枚目のシングルですが、当時15歳のベルギーの歌手Samantha Gillesとの競作という形で発売されています。

このジャケットにも記憶がありますです。夜中のラジオでかかっていたような気がします。
BaBeのほうはアニメのテーマソングとしてですが、のらくろと少しイメージが違うかもしれません。このあたりの競作の経緯とかはわからないのですが、この楽曲もよく流れていた気がします。この4枚目のシングルで、2人のボーカルすごくいいなぁと思ってて、テレビで歌っていても安定感が強かったし、見ていて楽しいし、そして、少し哀愁のあるこの楽曲はベストテンにはランクインしなかったけど、オリコンでは7位まで上昇、個人的には好きな楽曲です。間奏のあたりとかすごくいいし、最後格好いい。

Track:1 Hold Me!
作詞:Fonny De Wulf
作曲:Fonny De Wulf
編曲:大村雅朗
日本語詞:森雪之丞
フジテレビ系放映アニメーション「のらくろクン」テーマソング


B面はそのアニメのオープニングテーマ。こちらは「らしい」感じになっています。こちらも2人の掛け合いが楽しくて、そしてよく聞くと子供時代を忘れた大人への応援歌になっています。「弓はないけど 明日をつかめ!」1987年という時代、昭和が終わりに近づく頃でもあります。それまで当たり前だった価値観のようなものや、「国鉄」がなくなってJRになったり、電電公社がNTTになったりという国内の大きな変化があったり、もちろん電算化なんかも進んで仕事のやり方が大きく変わっていった時代。こういう楽曲は意外と大人の支持も多かったんじゃないかなぁ。

Track:2 YOU!YOU!YOU!
作詞:森雪之丞
作曲:羽田一郎
編曲:大村雅朗
フジテレビ系放映アニメーション「のらくろクン」オープニングソング

YOU!YOU!YOU!
BaBe
1987/10/21 1482742678


1年の締めくくりになる1987年12月5日にミニアルバムである「Nice!」を発表。シングル曲を含めた7曲入りですが「Hold Me!」はリミックスとシングルテイク両方収録になっています。「Daddy’s Song Mammy’s Tune」はこういうの弱いんだよなぁ。おとーさんになっちゃった以上さ。

TONIGHT!
BaBe
1988/2/21 1482737712

1988年01月21日 TONIGHT!

BaBeとして2年目の楽曲です。少し対象年齢を大人にしたいという感じがあるのかもしれません。この時期なのでガールポップ的な影響も受けていると思われ、演奏も格好いいし、でも、それまでの支持層だった中高生からは少し離れてしまった感もあるのかもしれません。先の楽曲が大人にウケが良かったんじゃないかと思うと、そうか、方向性を少し変えていこうとは思っていたんだろうとは。

Track:1 TONIGHT!
作詞:森雪之丞
作曲:朝倉紀幸
編曲:大村雅朗

B面、こっちの方が個人的には好きでありますが、文字数が多い歌詞よりも演奏と雰囲気を聴かせるみたいな時代の流れを感じます。聴いていて気持ちいいというのを感じさせるような楽曲に歌謡曲の世界が少し変わっていったのかもしれないなと思うのです。

Track:2 It's a Magic!
作詞:森雪之丞
作曲:中崎英也
編曲:大村雅朗

It's a Magic!
BaBe
1988/2/21 1482737712


Get a Chance!
BaBe
1988/5/11

1988年05月11日 Get a Chance!

BaBeの楽曲はただ明るくあなたが好き!って感じではなくて、少しだけ哀愁があったり、どこか奥手でどこか日が当たらない人を少し鼓舞してくれるように思ってて、この曲もあくまでチャンスはやってくるわけではないし、「どどどどどうしよう!」といいながら迷わないでと少し背中を押してるように思うのであります。「キス好き生真面目迷路ロマンス...」こんな歌詞も面白いなぁ。

Track:1 Get a Chance!
作詞:森雪之丞
作曲:中崎英也
編曲:中村哲

B面は「学校」を舞台にしたお友達が恋敵になっちゃう、よくある展開だけど、これをうまく曲と合わせてるように思います。この感じ、聴いてて気持ちいいんだよね。歌詞はまぁまぁどろどろなんだけど。ここも少し奥手な、すこし不器用な女の子を歌っています。きっとこの歌詞に感情移入できる奥手女子は多かったんじゃないかなぁ。そういう曲を用意した、そういうアイドル像をつくっていたのかな?そんな気もします。

Track:2 Best Friend
作詞:森雪之丞
作曲:山口美央子
編曲:大村雅朗

Best Friend
BaBe
1988/5/11 1482737353

2枚目のフルアルバムは1988年6月21日の発表です。「Fight!」というタイトル通り最初から元気になりそうな楽曲です。「Get a Chance!」の英語バージョンを含めた11曲です。バンドサウンドを押し出しており、この後のシングルでも踏襲されます。シングルだと、あれ?って思うけれど、アルバム通して聞くとそれもすっと入ってくるのは、彼女たちのボーカルが違和感がないからでもありましょう。ちょっとBaBeらしくなく感じちゃうかもしれないけれど、いいアルバムですよこれ。「Love in the first degree」はバナナラマのカバーで英語詞で歌唱。カバー曲も頑張っていました。前半と後半で印象の違うアルバムで、その振り幅が広いのも才能の一つ。Silent Dancerとかいい!

WAKE UP!
BaBe
1988/8/31 1482739952

1988年08月31日 WAKE UP!

2年目のBaBeが迷走していたわけではないのだけど、やはり世の中は新し物好きで、新たなタイプの曲に食指が動いていくわけで。この曲はオリコン18位が最高位になります。とはいえ、格好いい楽曲でもありますし、バンド志向な世の中になってきていますので、バンドサウンドのアイドル像を模索していったとも思えます。白井良明さんはムーンライダーズのギタリストですし、多分楽曲の中で存在感のあるギターはご本人だったんじゃないでしょうか。

Track:1 WAKE UP!
作詞:森雪之丞
作曲:山口美央子
編曲:白井良明

なのでB面もバンドの感じが出ています。そして彼女たちの声は決してバンドに負けていないので、バンドボーカリストとしてのBaBeがあっても良かったのではないかとも思いますが、まぁ、アイドルがロックやりますとか言っちゃうとそれはそれで揶揄されて批判されたりもしちゃうんでしょうから、こういう一面もありますよという見せ方はアリだったとも思います。ツインボーカルなバンドBaBe、いいじゃないですか。

Track:2 Keep On Rolling
作詞:森雪之丞
作曲:朝倉紀幸
編曲:白井良明

Keep On Rolling
BaBe
1988/8/31 1482739952


She has a dream
BaBe
1989/3/1 1482741749

1989年03月01日 She has a dream

さて、3年目のBaBeですが、正直言いますとほぼ見かけなくなってしまいました。歌番組が徐々に減り、ザ・ベストテンもこの年を最後に終わるという時期です。アイドルとしては異色で、ルックスだけでの活動でもなく、楽曲の格好よさと、歌って踊ってというあまり類がなく注目されていたとはいえ、周りというのは新しいものが見たいわけで、BaBeの活動の場が少しずつ少なくなっていく。終焉のようなものは感じていったのかもしれません。
最後のシングルは本人たちのデビュー前の心境を散りばめていたと言われていますが、最後まで何かを成し遂げるには、チャンスを待つだけではなく掴み取るんだという鼓舞を続けたような、そこだけはブレがなかったようにも見えます。ランク的には下位ですが、いい曲です。

Track:1 She has a dream
作詞:高橋研
作曲:MAYUMI
編曲:中村哲
国際スポーツフェア'89春テーマソング

そしてB面、BaBeと見えないような曲を出してきました。この楽曲の変化というか、この方向性をつづける気持ちがあったのかどうか。それは知る由もありませんが、それまで正直キスすらしていないような楽曲を並べてきたように思うのですが、ここでバスローブのイブです。そういう雰囲気になっちゃう。これが最後だから少し大人だったのか、それとも、幼い恋の悪ふざけだったのか。ちょと意外な楽曲でした。そう思うと、BaBeのお二人はデビュー当時すでに20歳を過ぎていましたので、そういう楽曲があっても不思議じゃなかった。でも、その方向にいかなかったってことなんですよね。戦略的にもうまくいっていたように思うのです。

Track:2 バスローブのイヴ
作詞:田口俊
作曲:中崎英也
編曲:白井良明

バスローブのイヴ
BaBe
1989/3/1 1482741749


この直後1989年4月21日に3枚目のアルバム「Brand-new」を発表。このアルバムは2人が方向性としてアイドルから少し脱皮する意識があっての楽曲だったとも思いますし、2曲づつソロ曲を入れています。これがソロ活動を示唆していたかどうかはわかりませんが、ソロで歌った時にどのような楽曲がいいか本人たちも関わって作ったと思われますし、当時のガールポップ的な方向性なんかも考えていたのかもしれません。
楽曲が格好よくて、もちろん、それがアイドル然としていないというのもありますが、もしかするとファン層が変わったのかもしれません。

そして、1990年2月22日になって最後のアルバムである「CONTRAST」を発表。今聴くとこのアルバムがまたいいんですよ。残念ながら商業的には成功しなかったアルバムでありますが、海外録音をおこなうなど意欲的になっています。実際聞くとこれが少し大人で、なおかつ全体に疾走感があって車で聞くといい!って感じ。残念なのはこのアルバム発売と解散が重なったことで、キャンペーンらしい活動もあまりできなかったことでしょう。
二階堂ゆかりさんは2月に挙式し、この年に第一子が産まれています。結果的にBaBeとしては3月いっぱいで解散という形になり、これが最後の楽曲となります。その後は近藤智子さんがソロで活動しますが、CDなどで発売された形での楽曲はないはずです。

配信
BaBeは多分全ての楽曲が配信されています。アルバムだけでなく、シングル楽曲が当時のジャケットで配信されているのがとても嬉しいのです。簡単に履修ができますので、ぜひ想像以上に素晴らしいBaBeの楽曲の魅力を感じていただきたいのです。特に2人の声が重なるところ。これが気持ちいいの。そして、シングルの後はぜひアルバムを。特に最後の2枚のアルバムは個人的には入眠時にいいなぁと思っております。

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