2023/05/12 歌謡曲が好き 中森明菜 80年代歌謡曲 ライブ鑑賞

中森明菜さんのライブ映像「AKINA INDEX-XXIII The 8th Anniversary」を劇場で見てきました


目次
  1. 残念な4K画質、でも特別料金の価値を感じる
  2. 明菜さんのメッセージと心穏やかに過ごされることを願うこと
  3. ロスを感じて、そして再復習

先日当サイトでも紹介しましたが、中森明菜さんの8周年記念コンサート「AKINA INDEX-XXIII The 8th Anniversary」をデジタルリマスターし劇場公開されました。2023年4月28日から公開が開始され、多くの劇場では今週、または来週の5月18日頃までに終了するようであります。

north-tt 中森明菜さんの「劇場用4Kデジタルリマスター版」上映と西城秀樹さんフィルムコンサート
https://www.thursdayonion.jp/article.php?article=1389


【公式】『中森明菜イースト・ライヴ インデックス23 4Kデジタルリマスター版』
https://happinet-phantom.com/EASTLIVE/

このコンサートは中森明菜さんのデビュー8周年を記念した公演でよみうりランドオープンシアターEAST(約1万人が収容できた屋外ステージ)で1989年4月29日と1989年4月30日の2日間にわたって開催されたものとなります。よみうりランドオープンシアターEASTは2013年に役目を終え閉鎖解体されています。

このライブでは4月25日に発売された最新曲LIAR(ライアー)までの23曲とLIARのB面曲であるBlue On Pinkの24曲が披露されています。本当に節目として本人が考えていたであろうセットリストになります。
今回劇場公開されたのはその年の11月にVHSとレーザーディスクで発売されたライブビデオ「AKINA EAST LIVE INDEX-XXIII」の内容そのままとなっています。

曲順
TATTOO
DESIRE
Fin
SOLITUDE
BLONDE
I MISSED "THE SHOCK"
SAND BEIGE
AL-MAUJ
ジプシー・クイーン
TANGO NOIR
ミ・アモーレ
難破船

飾りじゃないのよ涙は
禁区
少女A
十戒 (1984)
1/2の神話
サザン・ウインド
北ウイング
Blue On Pink
LIAR
トワイライト -夕暮れ便り-
セカンド・ラブ
スローモーション(エンドロール)

2日間のステージから編集していますが、実際のステージもTATTOO-ミ・アモーレ、難破船・飾りじゃないのよ涙は-北ウイングは同一の曲順ですしほぼノンストップに歌い上げる圧巻のステージが楽しめます。アンコールでBlue On PinkとLIARを歌ってライブは終わりだったのかなと思いますが、ビデオ的にこの後に難破船の前に歌ったトワイライト・セカンド・ラブ、そしてミ・アモーレの後に歌ったスローモーションを繋げています。

ちなみにこの公演はライブビデオだけでなくライブアルバムとしても発売されています。こちらはMC部分はありませんが実際のライブ曲順で収録されています。

このアルバムが配信でいつでも聞くことができるというのが本当に嬉しく思います。


残念な4K画質、でも特別料金の価値を感じる

今回歌謡曲好きの友人たちと鑑賞を予定していたのですが諸般の事情でそれが叶わず、札幌での公開が終了する直前にあまり乗り気では無かった妻と一緒に見てきました。私自身もこのライブビデオは当時も見る機会がありましたし、2022年にはNHKBS(その後地上波でも)放送され見ており、さらに現在Youtubeでは公式的にフルサイズで視聴が可能です。

そういう意味ではやはり4K映像での大型スクリーンでの映像と5.1Chでのサラウンド音源というこの2つに大きな期待をしていったというのがあります。しかし、見慣れた水中バレエの映像からジェットコースターの映像、うん、荒い。多分ワーナーはこのとき収録した「元の映像」を持っていないのではないかと推測します。元の映像はフィルムで撮影されたもののように見えますので「原本」があればかなり高解像度な映像として残っているのではないかと思われますが「完パケ」後の映像がどれほど綺麗であっても当時のレーザーディスクの走査線430本と思えば、今や縦430の映像なんてYoutubeですら使いません。これをどれだけリマスターしたところで現在の「4K」映像には近づかない。
結果特に引きの映像は破綻しているとしかいいようがなく、これがブロックノイズなのかモザイクなのかという冗談はともかく演奏の方やコーラスの方の顔は全くわかりませんし、せっかくの明菜さんのお顔も引いた状態では表情も読み取れません。もちろん1989年の映像を今に公開するということはとても大変なこと、そして映画館という大きなスクリーンで見せることのすごさというのはわかってはいるのです。でも、やっぱり4Kリマスターで蘇るというからにはね。

とはいえ、この映像、明菜さんのアップの映像がふんだんに使われていますので、そのときには笑顔だったり、お客さんにレスを送り、そして歌うときの切なげな表情を存分に味わうことが可能です。

もしかすると2K上映であった札幌駅のシネマフロンティアではもう少し違う感想かもしれません。

そして、音、ここはちゃんとこだわっておられる。定位も安定しているし、聞きにくいところがないのは素晴らしいところ。強風の会場での屋外ステージ、元々の音声をビデオ化時に補正はしているとは思いますが、それでも会場の雰囲気や演奏自体の息遣いというか、そういうものも伝わる気がします。音声の側はライブレコードを発売する形でマルチで録音があって、これを再構成してるんじゃないかと推測しますがどうでしょうか。
失礼ながら多くの「大御所」の方は歌い方を変えるし、演奏も変わる。しかしこの当時の明菜さんは1989年に過去のシングルをレコーディングしたらこんな感じになりますよというのを表す。ファンは少し声が大人になった明菜さんの素晴らしい歌声を楽しめる。バンドの皆さんもレコードのテイクから逸脱しない。このライブが大きく取り上げられる意味もわかろうというものです。

以前も書きましたが、ミ・アモーレやSAND BEIGE、SOLITUDEという1985年の楽曲は私個人思い入れが強く、これらの曲は涙なく見ることができませんでした。そして飾りじゃないのよ涙はからの畳みかけるようなステージはただただ圧巻としかいいようがありません。そして、楽しそうに時に笑顔を見せながら歌う明菜さんが本当に美しくて、やっぱり来て良かった、映画館で見られて良かったという感想になります。

一般的な映画館で見る料金より高い2500円という価格の「価値」です。あくまで私たち夫婦は明菜さんの歌唱の姿に魅了された、毎日のように生放送で明菜さんが歌っているのを見てきた世代。2500円くらい出しますよ。絵だけ小さなスマホで見たいわけじゃないんです。


明菜さんのメッセージと心穏やかに過ごされることを願うこと

明菜さんのメッセージの内容については、これからご覧になる方もおられましょうから触れませんが、明菜さんの優しさを感じ、そして、明菜さんが心穏やかに過ごされ、自分のタイミングで少しずつ活動をされることを願っています。誰が急き立てることもありませんし、誰も昔に戻ることはできないのですから、明菜さんが昔のように活動されることができないとして誰が責めましょう。

今は誰もが自身で音楽活動を自由にできる時代。自分一人で手助け無く完パケ作れる時代です。自身が何かを世に出したいと思えば、いつでもできる。そんな気持ちになったときに前触れも無くふと現れる。それでいいじゃないですか。

明菜さんと同年代を生きて、明菜さんの歌に感激して、心を奮い立たせ、そして今を生きている。あなたがいたからこそ今がある。ファンが恩返しできることは少ない。様々なアーティストの過去の映像を公式的に見ることがなかなか叶わない中で、明菜さんとスタッフの皆さんがこんな機会を用意していること。それが本当にファンにとってありがたく素晴らしいことなんです。


ロスを感じて、そして再復習

帰りの車の中で、あのあまり乗り気じゃ無かった妻がいやぁ良かった!上がった!カラオケ行きたくなった!一緒に歌ってた!(もちろん声は出していないが)と話しながらもう一度ライブアルバムを聴く。曲名忘れちゃった、アレなんて曲だっけ?って二人で歌いながら。歌うまい!細い!化粧薄い!なんていろいろ感想を言いながらというのは同年代を生きてきた、育った環境も場所も違うのに明菜さんが接点になっているという意味でもあります。

今はいい時代、聞きたくなったら毎日でも聞ける、でも、やっぱりあなたを目の前で見たい、あなたの歌を聴きたい。そういう感情を思ってしまう自分もいる。ファンというのはわがままなものです。

そして、第二第三のこのような機会があることを願うのです。

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