2023/01/08 歌謡曲が好き 日本レコード大賞 紅白歌合戦 年忘れにっぽんの歌 年間ミュージックアワード

2022年末大型歌番組特番チェック


目次
  1. 発表!今年イチバン聴いた歌 年間ミュージックアワード2022
  2. 日本レコード大賞
  3. 年忘れにっぽんの歌
  4. 紅白歌合戦

残念ながら我が家は最近全くといって良いほど「歌番組」を見る機会が無く、この年末に多数放送された大型歌番組のほとんどをリアルに視聴することはできませんでした。

年も明けて3連休である新年2週目のこの週末、我が家の全録レコーダーに残っている地上波で放送された大型歌番組を「ざっと見」してみたいと思います。

発表!今年イチバン聴いた歌 年間ミュージックアワード2022

日本テレビ系・12月28日19時~4時間半

日本テレビ 発表!今年イチバン聴いた歌 年間ミュージックアワード2022
https://www.ntv.co.jp/music-award/

これは新たな試みです。多分昨年はなかった番組ですね。「全日本有線放送大賞」の流れを汲み歌謡祭になった11月の「ベストヒット歌謡祭」とも、「日本テレビ音楽祭」の流れを汲む12月初旬の「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト」とも別に、新たな「賞」としての価値を配信でのランキングで発表していくという形態で、新しい試みと言えましょう。ランキングはApple Misicの配信チャートを使用したとしています。

まず、前半では100位からの総合チャートと、アーティスト別に「イチバン聞かれた歌」を発表します。これはなかなか面白い試みに見えます。
例えば中森明菜さんはDESIRE・少女A・セカンドラブの順だそうです。また、年代別でのランキングなど、もはや「総合」ではどうしても世代的に相互理解が行えない状況をなんとか解決しようとする試みとも言えましょう。

そして、大切なことは「配信」からランキングを作りますので、配信に参加しないアーティスト、特にジャニーズ事務所所属アーティストを「排除」することに成功しています(配信されているTravis Japanを除く)。それがどのような意図を持って行われたのかはわかりませんが、大型音楽番組には必ず数組登場するであろうジャニーズアイドルが全く出てこない。このような音楽番組を作ることができるということが面白いです。なお、配信で再録音盤がある田原俊彦さんがちゃんと今年イチバン聞いた1980年代ソングに登場しているのは、そこの排除は行わなかったということです。
実際に番組内で生演奏披露された楽曲は、配信再生数が多い韓国等アジア圏でのアーティストの出演が多かった印象もありましょう。そして、当然ながら2022年に発表された曲だけでなく、過去のすべての楽曲と戦う必要がありますから、1位優里さん「ベテルギウス」は、もちろん若い人、チャートに興味のある方は知っている楽曲でありましょうが、少し年齢層が上の方には「ぽかーん」でしょう。それは仕方ないことです。

この形態の「賞レース」が続くかはわかりませんが、一つ毛色の違う番組として面白く見ました。ただ、1位本人が録画コメントだけというのも含めて「配信」というもの、そして「テレビ」に対してのなにか、ズレというか、時代の差を非常に多く感じました。音楽関係者が賞状やトロフィーを持って出てくる、そういう「賞レース」ではないのです。


日本レコード大賞

TBS系・12月30日18時~4時間
3年ぶりに有観客として開催された日本レコード大賞も
64回の歴史を重ねる日本レコード大賞は「オワコン」と言われて久しく、放送日が12月31日だったのを覚えている方もずいぶん減ってしまったでしょう。2006年から12月30日に移動し大きく時間を拡大して放送されています。

TBS 輝く!日本レコード大賞
https://www.tbs.co.jp/recordaward/winner.html

純粋な地上波テレビでの賞レースでは最後に残った番組ですので、その貴重さもあろうかと思います。そして、以前から審査の透明性がないことなどの問題が言われていますが、透明にしたら先の「何らかのチャートで1位」となって興ざめです。何かの「審査の意味」を持たせる必要がありましょう。

さて、新人賞ノミネートは番組での紹介順で
・OCHA NORMA

・石川花

・田中あいみ

・Tani Yuuki

の4組でした。デビューした方が少なかったわけではなく、メジャーなところから抜擢される形になるのは難しい、そういう面がありましょう。「もっといるだろう?」というお茶の間の声との乖離は、個人が個々にアーティストを応援できる時代だからこそでメジャーアーティストである必要はないのです。むしろ、メジャーでこのようなステージに立たない方が変な批判に晒されず済むという意味すら感じられてしまう、そういう時代とも言えましょう。その中でも配信で人気であり、堂々としたパフォーマンスであったTani Yuukiさん、ハロープロジェクトのアイドルとして、グループアイドルらしい、またパフォーマンスとしての良さを感じさせられたOCHA NORMAのみなさん、北海道出身のまだ15歳とのことで将来の期待が大きい石川花さん、本当にみなさん素晴らしかったですね。田中あいみさんは最優秀新人賞らしい堂々としたパフォーマンスで、4組から選べと言われますと私も票を入れたくなる、新しい演歌の姿のようなものは見えてきましたが、やはり世間認知と演歌がどんどん配信に進んでいく世の中になってほしいなとも思うのです。


また、どういう意味合いがあるのかはともかく特別賞として選出されたパフォーマンスはこれまた面白い。例えばDA PUNPのみなさんのパフォーマンスは、バンドの素晴らしさとともにこれぞテレビ的な歌謡ショーとして素晴らしかったです。

レコード大賞の候補者である優秀作品賞の発表の間に特別賞を挟み込む演出は、どうも慣れないというか、栄誉ある大賞を授与しようとしている中で、この人は関係ありませんってのは失礼かなぁとも思います。テレビの前にかじりついてみているばかりではないのです。

日本レコード大賞はSEKAI NO OWARI「Habit」で、話題性的にも異論はありません。

優秀作品賞
・マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」

・BE:FIRST「Bye-Good-Bye」

・純烈「君を奪い去りたい」

・氷川きよし「甲州路」

・wacci「恋だろ」

・Da-iCE 「スターマイン」

・NiziU 「CLAP CLAP」

・Mrs. GREEN APPLE 「ダンスホール」

・Ado「新時代」

配信限定シングルが4作となり、もはや記録媒体としての「Phonograph Record」という意味ではないというのも時代の流れ、データとしての「record」という意味で生き続けるのかもしれません。

そして、毎度、裏レコード大賞と私は思っている最優秀歌唱賞は三浦大知さんでした。異論はありません。

ドラマ的には酷い出来だったと批判の声はよくネットに出てきましたが、主題歌は非常によい曲ではないかと思うのです。
レコード大賞は特別功労賞で、その年に亡くなった音楽関係者を想い、こんな曲がその年にあったということを再確認する場所でもありましょう。そして、レコード大賞でも今回は秋元氏関連のグループアイドルやジャニーズアイドルの賞はなく、時代が変わった感も大きくなっているように思います。なんとか韓国系アイドルを入れていますが、全体的に本格的なボーカルグループなどが最近は選考対象になっている感はあります。


昭和枯れすゝき
さくらと一郎
2010/4/28

年忘れにっぽんの歌

テレビ東京系・12月31日16時~6時間
最近では裏紅白として一定の評価を得ている12月31日の大型歌番組です。55回も歴史があるわけですが、当地北海道ではテレビ北海道開局の1989年までは「年明け」の深夜に録画放送という系列局的な問題もありましたので、あまりなじみがなかったというのがあります。このあたりは関東圏などリアルタイム視聴ができていた方と印象が違うのかもしれません。
なお、2015年以降録画放送としましたので、舞台転換などの「余興」部分がすくなくテンポが速いのも時代に合っているようにも見えます。そして、出演者、選曲を40代以上の「テレビを見る」人に合わせたというのもありましょう。

テレビ東京 第55回年忘れにっぽんの歌
https://www.tv-tokyo.co.jp/toshiwasure22/

16時から始まりましたが、約1時間は過去の出演映像を次々見せます。少なくとも北海道は31日におせち料理(とまではいわないが、寿司なんかを食べながらテレビを見る)という感じですので16時台はそろそろ準備しますかって感じ。そこで40代、50代には子供の頃よく聞いた、そして、年老いてきた親にとっては若き日の想い出である曲を連続して聞くわけで、何か特別見るものがなければ選択されそうな番組であります。

実はこの番組、当日も手伝いつつリアルに見てたのですが、この項を書くに当たって見返し始めると見入ってしまいまして、今回書いている中では最も長い時間放送される番組ですが、結局見きってしまったというものであります。毎度大晦日にさくらと一郎の「昭和枯れすゝき」を聞きたいか?と思いつつも、聞いたら引き込まれるのです。


17時を過ぎてからは多分この年の収録である中野サンプラザからの映像になります。中野サンプラザは今年で一旦閉館し新しいホールが作られるとしています。現役の歌手の皆さんのパフォーマンス、そして「歌い継ぎたい100曲」として歌うのは本人にとっては以前のヒット曲でありますのですが、やはり聞く側は、大晦日、こういう曲で締めるのはいいなぁと思うのであります。ところどころ数年前の映像が混じるのは、やはり体調面などで出演できない方も少なくないというのもありましょう。

しかし、そんななかでも北島三郎さんが椅子に座った形であっても血色のよいお元気そうな姿を見ることができたのがとても嬉しいのは、私自身が紅白歌合戦の大トリで「まつり」を歌う印象が強い世代というのがありましょう。
なお、北島三郎さんの楽曲は各種サブスク配信されておりますので、いつでもその歌声を簡単に楽しめる時代になっております。そういう意味でも北島三郎さんは先を見ている、先進的な方だと思うのです。

さて、紅白歌合戦の真裏になる19時台に入りますと、40代50代特化な感じになります。サンプラザ中野くん、パッパラー河合さんでRunnerを、宮沢和史さんの島唄を、そして80年代のアイドル南野陽子さんを登場させます。自宅の「チャンネル権者」をわかっている+録画視聴でも視野にしている感もありましょう。そして20時台に早見優さん、麻丘めぐみさん、伊藤咲子さんを登場させ、21時前から70年代、80年代アイドルを大特集する、うん、わかってますねぇ、ねらっていますねぇというのが。

新しい曲はわかんねぇよ!って層に完全に迎合しているので、これはこれで毎年続いていくんじゃないでしょうかね。面白く見させていただきました。


紅白歌合戦

NHK・12月31日19時20分~4時間25分
毎度の紅白ですが、直前の番組も一応視聴。出演者を招きながらの番組ですが、先ほどの話ではありませんが、正月前の準備でこの番組を選択しにくいなぁというのがありましょう。18時台はもう「はじめちゃってる」んで、トークはあんまり好まれない感じもありますが、事前番組ですからねぇ。最後の名場面集はよかったと思いますが。

NHK 第73回NHK紅白歌合戦
https://www.nhk.or.jp/kouhaku/

観客を入れての紅白歌合戦も3年ぶり。そして、橋本環奈さんが細い!小さい!大泉洋さんとの比較もありますが、本当に小さいのですね。そして東京スカパラダイスオーケストラのオープニング、出演者が並んでのオープニングとSixTONESの、意外と良い歌詞、そして天童よしみさんのお祭り的で、紅白のスタートにふさわしい感じですね。

元々私自身が歌詞を確認しながら曲を聞くことが多くて、今、年齢を重ねると、歌詞って良いなぁ、アーティストは考えて言葉を紡いでいるんだなぁと思うのであります。そして、なにより素晴らしいのは橋本環奈さんですね。彼女の低めの声がワタシ本当に好みで、司会としての技量もものすごい高いことがわかります。ゲスト審査も客席最前なのも良いですねぇ。黒柳さんもあの感じでいいですね!

まぁ、ここまではあれですが、そのあとのいろんな毎度の「つめこみすぎ」なので頭がついていかないというか「もういいや!」って視聴者が思ってしまう「視聴者を置いていく」感がやっぱり見られます。これをやらなければだめなんだろうなぁ。山内惠介さん、それでいいんですか?楽曲にたいしてどうなんだろう、ファンはどう思うんだろう?そんな感じをどうしても受けちゃう。キツネダンスが悪いんじゃないんですよ、楽曲に混ぜなくても良いじゃないですか。村上選手の面白く無さそうな表情が抜かれたのは、NHKスタッフの抵抗じゃないんですかねぇ。

THE LAST ROCKSTARSは特別感があってよかったです。こういう特別は紅白ならではで、各時間帯にわけで持ってきていましたね。

ニュースのあとのNHKの受信料パフォーマンスは、驚いたけど、なんか、こういうのも含めて、いろいろ時代が変わってきたのかなぁという感じもします。そのあたり、直接的に言わないと伝わらないのだ、察してくださいではダメなのだという時代的な背景も見えるのです。それでも「受信料の支払いをお願いします」ではないだけ奥ゆかしいのかもしれません。


ウタさんは「AI美空ひばり」が形を変えて出てきた、このような仕掛けができるように放送技術的な進化は続いているということでもあります。

三山ひろしさんは、もうそのパフォーマンスを毎年やることでいいんだろうけど(1000人くらい成功!って先に誰かがギネス世界記録認定取ったら二度と歌唱時間帯でできないパフォーマンスだと思うので、どっかでユーチューバーとかがやるかもね)そろそろやめたらと思うけど。

さて、NHKも世代的な平均化というのは考えており、40代50代が楽しめそうな方を出してきました、工藤静香さんの登場は21時代後半です。あー、そういうアレンジされるんですか。うん、結局、その当時の楽曲アレンジで見たいってのは無理でもあるんでしょう。そして、特段前後の世代が一致するわけでもありませんので、この辺りは難しい面なのかもしれません。本当に世代的にはわからない曲、馴染みのない曲が増えているのは、それだけ自分が歳を取ったからです。そういう意味で篠原涼子さんが小室哲哉さんと(多分)原曲通りのパフォーマンスは素敵でした。

知ってるからといってAI松任谷由実が完成している形のパフォーマンスは、紅白が紅白歌合戦じゃなくなった後、どうするのか?という意味を感じないでもありません。AI美空ひばりは壮大な前振りだったんじゃないでしょうかね。

そして、桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎「時代遅れのRock’n’Roll Band」は現場でパフォーマンスしないのがよかった。これを放送できることこそが「平和」であること。

最終的に紅白歌合戦で優勝した(イチバン印象に残った)のは橋本環奈さんでした。本当にミスどころか楽しそうに「紅白の司会という役」をやりきったというかなりきったというか、格好良いですよ。本当に素敵な方なんだなぁと思いました。

今回も紅白歌合戦として決着をつけるとはいえ、もう、白組紅組代表という感じでもありませんし、大泉さんはMISIAさんが素晴らしいことを森保監督に聞くわけです。どこかでこのジェンダーな仕掛け、紅白という形をやめざるを得ない。それがいつかというカウントダウンなのが、この10年2020年代なのかな、令和時代なのかなとも思うのです。

そして、自分も年齢が「高齢者」になってきてるんだなぁと素直に感じる、そして、新しいものを受け入れていないつもりではなかったんだけど、やっぱり少し嫌悪があるのは、私も子供の頃に嫌だった「クソジジイ」になってるんだなぁと、新年早々にそれがなんか、辛いなぁ。

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