2022/02/15 歌謡曲が好き 80年代歌謡曲 楽曲紹介 忌野清志郎 坂本龍一 YMO

化粧品CMは化ける「い・け・な・いルージュマジック」と「君に、胸キュン。」



今までも多分様々な媒体で語り継がれていると思いますが、1970年代から80年代のヒット曲には「化粧品のCM」が関わっているものが多くなっています。
流行に敏感である女性をターゲットにした商品イメージと合わせた楽曲戦略は、音楽関係者にとっても大きな利益をもたらすわけで、裏ではいろいろ駆け引きがあったんじゃないですかね?

ともかく、普通に歌っただけじゃダメって感じで、どんどん奇抜な感じになっていくという面がありましょう。

そこで最も奇抜だったのはどれですか?となるとやっぱり外せないのが忌野清志郎氏と坂本龍一氏がコラボレートした「い・け・な・いルージュマジック」でしょう。


この曲はテレビでもよく披露されましたので、今でも違法的にですが動画で見ることはできましょう。是非動画で確認いただきたいと思うのです。いやはや、本当に凄い。鬼気迫るというか、格好いいというか。そしてレコード音源では坂本龍一氏がドラムを叩いていると思いますが、テレビでは鈴木さえ子さんが叩いていて、これがまた格好いいのだ。

で、CMはこんな感じになりまして、曲の奇抜さがきっちりCMになるあたり、このクリエイターの技術というか、凄いなと思うんですよね。CMを奇抜にすると五月蠅すぎるので抑えてある。

さて、資生堂の「春」キャンペーンだけ見ても
1980年 竹内まりや「不思議なピーチパイ」
1981年 松原みき「ニートな午後3時」
1982年 忌野清志郎+坂本龍一「い・け・な・いルージュマジック」
1983年 EPO「う、ふ、ふ、ふ」
1984年 高見知佳「くちびるヌード」
こんな感じです。以前紹介した松原みきさんも含めて、歌謡界に化粧品CMありですね。

さて、翌年です。1983年、YMO「君に、胸キュン。」がカネボウのCMソングとして起用されます。今でこそCMキャラクターがある日を境に同業他社のCMに出ますなんて不思議なことではありませんが、まぁ、1年経った夏のキャンペーンで坂本龍一氏がまた登場するわけです。

君に、胸キュン。-浮気なヴァカンス-
YELLOW MAGIC ORCHESTRA
1983/7/27

当時既に活動休止で解散が決まっていたYMOとしてはタイアップがあったとしても、最後に「面白いことをやろう」と思ったんでしょう。化粧品夏のキャンペーンとしてやたらこの年に聞いた印象です。

さて、では「春」はどうだったのか?といいますと藤村美樹さんキャンディーズのミキちゃんですね。「夢・恋・人」は作詞が松本隆氏、作曲が細野晴臣氏でしたので、この作家陣の両社CMの往き来みたいなのもありそうですね。

カネボウの「春」キャンペーンは
1980年 渡辺真知子「唇よ、熱く君を語れ」
1981年 矢野顕子「春咲小紅」
1982年 ハウンド・ドッグ「浮気なパレットキャット」
1983年 藤村美樹「夢・恋・人」
1984年 松田聖子「Rock'n Rouge」

化粧品メーカー2社がバチバチの戦争状態の中、第3極が1980年に化粧品に参入した花王で、現在カネボウの化粧品部門は今は花王子会社なんですね。化粧品メーカーの様々な再編がある前、平和で毎年楽しみだった「化粧品CMタイアップ歌謡曲」の時代は、また何かの機会に取り上げたいです。

い・け・な・い ルージュマジック
忌野清志郎+坂本龍一
2018/11/7

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