2021/08/06 歌謡曲が好き 70年代歌謡曲 80年代歌謡曲 90年代歌謡曲 2000年代歌謡曲

電話な時代じゃないけれど「テレフォン」な楽曲



先日親戚の家のインターネットが繋がらないとかで、直しに行って参りました。

15年以上前に光回線を導入して「ひかり電話」になっている親戚宅は、古めかしい光終端装置とルータ、そして当時は別に無線LAN装置が必要だったこともあって、機器が多く、どれが不具合でネットに繋がらないのか難儀しながらも、最終的には復旧させてきました。

今となってはひかり電話も含めた固定電話は使う機会自体がとても限られていて、不具合があっても長く気がつかないという状態もあります。携帯電話にしてみても、今や「電話」は端末の機能の一部であって、電話がメインではなくなっていますね。友人とは通話するにもLINEでできてしまうので、さらに固定電話を使うことは少なくなっています。


そんな時代ですから「電話」「テレフォン」という単語を持つ曲はずいぶん少なくなりました。
telephoneは「離れた」「音声」の造語になりますね。長く電話の発明者はグラハム・ベルと言われていますが、イタリアのアントニオ・メウッチが電話の最初の発明者と今は認定されているように見えます。1871年のことですから明治3年になります。それから150年です。そう思うと、電話って本当に「最近」のものなんですね。実際東京・横浜の官営電話サービス開始が1890年です。電話って発明されて一気に広がったんですね。

話は大きく変わって、先日紹介しているいい年をした大人にとっては懐古的な懐かしさと、そのときの甘酸っぱさを思い出させてくれるのが
フィロソフィーのダンスの「テレフォニズム」

この曲は本当に、なんか、いいなぁとわたくし気に入っております。


そして、シティポップ的な名作といいますとこの曲。1981年のアルバム「Tea For Tears」に入っている「テレフォン・ナンバー」

本当にこの曲にも胸を打たれます。この当時56079に電話した人はいるのかしら?コーラスなので聞き取りにくい面はありましょうが。


そして、電話番号が聞き取りやすくて大騒ぎになったのは「恋のダイヤル6700」子供がご近所の6700番にいたずら電話して大変だったという話は漏れ聞くところですが、実際どうだったんでしょうね。

恋のダイヤル6700 (Karaoke)
フィンガー5
1973/1/1

(karaokeになってるけど、こちらが歌入りみたい)
我が家では、勝手に電話はかけてはいけないというのが徹底されておりましたんで、それこそベストテンほっかいどうにお電話するのも親の許可がいる(笑)というご家庭でした。自分で自由に電話をかけられるようになったのはテレホンカードを持って公衆電話を使えるようになってからですね。


シティポップ的なといえば遠藤京子(響子)さんもいいですね。歌詞の「シャクだけど」はなんかいいんですよね。デビュー曲になります。

告白テレフォン
遠藤京子(響子)
1981/11/21

作曲は筒美京平さん、編曲は後藤次利さんで、デビュー時の立ち位置がアイドルよりなんでしょうが、やっぱり実力者な感があります。好き!。



当時最も長い曲タイトルと言われたこの曲も印象深い。宮本浩次さんのデビューシングルになります。

タイトでキュートなヒップがシュールなジョークとムードでテレフォンナンバー
宮本 浩次
1996/4/21

宮本浩次さんはエレファントカシマシのボーカルではない方(こういう風にずっと言われてるんでしょうね)
前奏の感じから歌がずいぶん違って驚いた感じもいたします。でも、カラオケでホゲホゲ歌いながらサビだけきっちり歌いたい。


シティポップでは、こちらもおすすめな来生たかおさん。1982年のアルバム「遊歩道」の一曲です。

テレフォン・ララバイ
来生たかお
2011/5/25

固定電話の受話器に繋がるカールコードをくるくるしながら長電話ってのは、やってみたかったシチュエーションでもあります。実際は電話代が気になって、用件だけで切っちゃうってのが当たり前で、そういう意味でも今は電話つなぎっぱなしにしても無料ですし、相手の顔まで見える。
テレビに映る女の子に「彼女の姿」を投影する必要は無いのですね。


やっぱり80年代は電話の時代。アイドルの皆さんも軒並み何かしら電話の曲を歌います。

テレフォン・デート
小泉今日子
1982/12/16

小泉今日子さんの2枚目のアルバム「詩色の季節」に入っている「テレフォン・デート」電話が繋がらない彼氏にやきもき。
「髪も洗って爪も磨いて待っている」のは夜9時過ぎのおやすみの電話。ここで、まだ子供な小泉さんと、大人な行為に勤しむつもりでお断りされたであろう彼氏の乖離なわけですが、まぁ、この時代の曲らしいといえばらしいです。


1980年代の後半、バンドブームがやってきても、やっぱり電話はキーワードです。1988年のアルバム「ゴーバニックランド」の「テレフォンコールで抱きしめて」は、時代が進んで留守番電話やキャッチホン(通話中に別の電話の呼び出しを受けられる機能)が登場します。

テレフォンコールで抱きしめて
GO-BANG'S
1988/5/21

でも、まだ「描いた絵」は見せられないし、着うた的に相手に曲を聞かせることもできませんが、でも電話越しに相手と曲を共有するだけの長電話はできるようになったかも。
特に市外電話がNTT独占から解放されたのが1987年。当時の新電電3社覚えていますか?「日本テレコム(現ソフトバンク)」「日本高速通信(現KDDI)」「第二電電(現KDDI)」試験には出ないですね。
キャッチホンの相手と彼氏が繋がっている間待たされる側は、非常にいやだったと思うんだよねぇ。


90年代に入っても、電話。でも、それは、会えない状況からの「電話」なんですね。

TELEPHONE
米米CLUB
1993/11/1

明るくキャッチーな曲のイメージが強い米米CLUBのアルバムは、意外な楽曲を楽しませてくれます。


2007年のシングル「情熱」のカップリング「電話をするよ」作詞は渡辺慎さん。ホフディランのワタナベイビーさんじゃないですか。歌詞をUAさん本人が書いていらっしゃらないのはシングル曲では珍しい気がいたします。

電話をするよ
UA
2007/8/22

電話が「個人」であることをやはりこの時代になると色濃く出てくるなと思うんですね。
電話が、ある意味煩わしい存在で、でも、相手の存在と、ものすごく近く繋がっている。いつの世も、近くにいてほしいことと、かといって近くにいすぎるのもいや。そのときに電話は一つの解決策なのだとも思います。


石崎ひゅーいさんの2016年のアルバム「花瓶の花」の一曲。歌詞の中にそれとは一切触れていませんが、タイトルで触れているように、きっと歌われている相手はこの世にはいないのでしょう。

天国電話
石崎ひゅーい
2016/5/18

「あの世」との通信手段を確立できることは、きっとこの後もないはずです。電話ができるのも相手が生者だからこそ。だからこそ、今生きている目の前の人を、今生きている近くの遠くの人に思いを馳せてほしい。そして、目の前にいないからといって汚い言葉をかけることはあってはなりません。

テレフォン・ナンバー
大橋純子
2009/1/1

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