あなた三昧 さだまさし
さて、最後にご紹介するのがこの曲。さだまさしさんの描く男女というのは、どこかユーモラスな感じがいたしまして、でも、遠距離の彼を心配する女性の視点がこれでもかと現れます。栄養ドリンクのCMソングだったこともあって、とかく疲れているであろう彼を心配するのです。
1992年のバブル崩壊後の日本、とはいえまだまだ今から考えるような景気後退でもなく、皆さん頑張って働いているわけです。
「今度の週末には私が行くから」ではじまる2番。甲斐甲斐しく身の回りの世話をしたい女性像は先の郷ひろみさんの曲の世界とは随分異なりますが、この当時ですらこんな女性は多くなかったかもしれません。最終便で行くんです(きっと土曜日の夜の便でしょう)まだ週休二日は官公庁が始めたばかり、学校も含めて土曜が基本休みになるのはもっと長い時間がかかっています。なので、土曜も「付き合いのあと」で良いから早く帰ってということになります。そして、唯一の休みの日曜日にどこへも行かないで「気が向いたら笑っていてほしい」というささやかな希望を言うわけです。
きっと皆さん心の底から「頑張りすぎないでね 何もいらないから あなたが元気でいたなら 何もいらないから お仕事大変でしょうけど 無理し過ぎないで」こう言って欲しいなって欲求はあるかもしれません。逆にこんな一言で、男性はコロッといってしまうのかもしれない。そんな気もします。もちろん今は女性も大変。お互いに労をねぎらっていける関係が長続きのコツだと思いたいところです。
コロナ渦でこれまでと違う働き方が求められる世の中、そしてGoToキャンペーンなどがあれど、なかなか出かけるのが難しく、遠距離恋愛の方もなかなか会えない。そんなご時世ではありますが、会えないことを悲しむだけでなく、是非相手にねぎらいの一言を。そんなふうに思ったりします。