2020/07/24 歌謡曲が好き

墓参りで歌謡曲



意味不明なタイトルですね。

父親と母親はほぼ同じ地域の出身でありますので、それぞれの先祖代々の墓は直線距離でせいぜい15㎞くらいと近い。ただ、残念ながら札幌からその地域へはざくっと200㎞以上車を走らさなければなりません。

親は今ではその地域を離れ、札幌で過ごしておりますので、毎年数回、墓参り、親戚廻りに車を運転することになります。しかし、親もすでに70才を超えていますので、そろそろ車の長距離運転はやめてほしいのが子である私の本心であります。

今回、万が一にもの新型コロナウイルスの蔓延防止を名目に、親戚廻りを行わず墓参りだけということもあって、私が車に両親を乗せ、墓参りにいざ出発と相成ったわけです。私の企みは、これを機会に親から少なくとも長距離運転を行わない形にするのだ、そういうことです。

さて、車の中での親との会話。70代となった親と、40代半ばを過ぎた子の会話なんて碌なものではないわけです。そこを仲介してくれる役割を私は「歌謡曲」に求めることにする。ざっと片道3時間約50曲のプレイリスト×2を作成するのです。

70年代のヒット曲を中心に、かなりB級といわれる方から、大ヒット曲まで取り混ぜます。70年代の歌謡曲はもちろん私にとって馴染みのある曲であり、親にとっても若かりし頃によく聞いた曲ですから、そこに接点は多かろうと思うのです。
その目論見はうまくいきました。沢田研二さんや山口百恵さんの話を懐かしそうにし出す。歌番組全盛時代に青春時代を過ごした親は、当然どの曲も口ずさめる。この世代はビートルズもサザンオールスターズもキャンディーズも聞いてきている。決して年寄り=演歌ではないのです。演歌自体は嫌いではないけれど、演歌を聞いていれば楽しいはずなんて思ってはいけないのです。

そう思うと、これからの高齢者世代は、童謡や演歌を楽しむだけではないのです!と声を上げていかなければならないのかもしれません。高齢者施設で実際にどのような運用をされているかはわかりませんが、あくまでイメージの中の施設内レクリエーションに「ジュリー」を歌うことはなさそうに見えるのです。

わがままとは言いませんが、親がいつまでも元気に長距離移動できるかはわかりません。その長距離での楽しみを、どう作り出していけるか?これも大事なことなんじゃないかなと思うのです。運転するだけならラジオでもいいんですが、後部座席で車窓を眺めるとき、どんな曲が喜ばれるのか、どんなシチュエーションが必要なのか。そして、トイレが近くなる年齢ですから、どこで休憩をとるのかも計算しなければなりません。そして食事も。まだ動けるうちだからこそ考えておかなければ。

「墓参りで歌謡曲」それが我が家の親との「老後」を考える第一歩。



カサブランカ・ダンディ
沢田研二
1979/4/1

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