2014/10/03 歌謡曲が好き ラジオが好き

ジョン・カビラにどう転んでもなれない話



埼玉の自宅からラッシュの埼京線に揺られ職場への1時間半、できるサラリーマンを目指したワタシは新聞を4つに折り読みながら颯爽と通勤したかった。

現実は新聞はおろか鞄さえ折れ曲がるほどのすさまじいラッシュに気分が悪くなることも度々だった。首都圏の電車の中で通勤快速なんて電車を運行するために電車の本数を犠牲にしている埼京線は平均的に混雑せず、通勤快速が異常に混むのだった。

ワタシは6時台に家を出て、各駅停車に乗り込むことにした。少なくとも都心に近づく赤羽あたりまでは人間的な混雑で済み、私の乗る駅ではうまくいけば座れることまであった。早起きは三文の得である。

ワタシは携帯ラジオを購入して車内で聞くことにした。いろんなラジオ局を試した。地元のnack5から、雑音に潰されるFM横浜まで。そのなかで気に入った局は最初全く期待していなかったJ-WAVEだった。

7時のSingin' Clockから突然ハイテンションの「GOOD MORNING TOKYO!!!」から始まるTOKYO TODAYは、格好いいとかわかりやすいとかそういうことを考えずに心地よかった。選局もはまっていたし、交通情報や天気予報のBGMが特に心地よかったのだ。

確か7時半頃に国際電話をかけて各国のニュースになった方とカビラ氏が直接話するコーナーがあった。確か「TOKIO TIPS」当然彼の堪能な英語で相手と和やかに会話する。

ある日、お相手は確かどこかの国の教会の女性神父(この言い方が正しいのかはわからない)で、明らかに相手のろれつがおかしい。英語でもろれつがおかしいというのがわかるんだなと妙なところで感心した。彼女は英語でしきりに眠いといっていた。日本との時差の関係で現地は深夜なのだろう。その彼女にカビラ氏はとても優しかったんだ。聞きたいことの半分も聞いてない状態で、電話を切り、聴取者に詫びたんだ。

もちろん彼自身がこの相手とのブッキングをしたわけじゃ無いだろうし、その中で相手の体調を気を遣いつつ話を切り上げたのが格好良かった。以前某局の同じような電話コーナーで明らかに相手の様子がおかしいのに同じ事を何度も聞き、結果自分たちの都合の良い答えが聞けないと不機嫌になった某元局アナに憤慨していたんでね。

9時の始業時間のかなり前に職場に着いてしまうので、仕事が始まるまで彼のラジオを聞いていた。9時をまたぐときの次の番組のナビゲーターとのクロストークも楽しかった。

ジョン・カビラさん。テンションが高いことがどうしても注目されるけど、実は日本語も英語も落ち着いていて聞き取りやすかった。ハイテンションな冷静さというのは、放送人として必要なスキルだなと様々な番組と比較して思った。特に英語の言い回しは随分勉強した。まぁ、ワタシ自身は今もろくに英語を操れないけどね。


最近出張で東京に行った。81.3MHzに合わせてみる。

もう、あのときのJ-WAVEではない。そりゃ、仕方ないんだよね。90年代のJ-WAVEが異常だったんだと思う。まだ自社編成だけで補えなかったからこその2時間音楽かけっぱなしの時間とか。

We Still Have a Dream
ナラダ・マイケル・ウォルデン
1990/10/17

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